「100kg」タグアーカイブ

【TEPPENベンチプレス勝負】本当に体重比で勝負になる?を真剣に(適当に)検証してみた

LINEで送る
Pocket

[nopc] [/nopc]

2020年9月26日、フジテレビで「 芸能界特技王決定戦 TEPPEN」が放映されました。

その中で、自分の体重と同じ重さのベンチプレスを何回挙げられるかという対決がありました。

ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)

優勝は、体重57kgの武田真治氏の57kgのベンチプレス49回でした。

2位はボディビルダーの横川尚隆氏の72kg32回。
3位はミルクボーイの駒場孝氏の72kg18回、
4位厚切りジェイソン氏の84kg14回、
5位元with Bの現アメフト選手のコージ・トクダ氏の100kg12回でした。

回数だけ見ると武田真治氏が優勝ですが、コージ氏の100kg12回は驚異的です。
計算上ではMAXは144kgとなります。

体重と力強さはある程度相関しますが、それでは体重150kgある白鵬関がベンチプレスで150kgを数十回できると思いません。

ではこのベンチプレス勝負は何を競っているのでしょうか。
確かにベンチプレスを自分の体重と同じ重さを上げるのはトレーニングをしていない一般人ではハードです。
男性のベンチプレスの平均は40kgほどと言われているの、成人男性の平均体重は60kg前後なので、1回自体重のベンチプレスを上げるだけでも困難です。
つまり筋力がないのです。

ではこのベンチプレス勝負は「筋力」を勝負しているのでしょうか。
それは違います。
普段トレーニングをしている人では成人男性の平均体重を大幅に外れていない限り、自体重は10回ほど挙げられるのは全く珍しくありません。
そして一般的なトレーニングでは10回挙がったならば、重りを増やしまた10回できるようにトレーニングしていきます。

つまり15回も20回も回数を増やすトレーニングはしないのです。
その理由は通常筋トレで重要なのは筋肉を大きくすることで、そのための目安の回数が10回前後なのです。
それ以上の回数で行うと筋肉を増やすことよりも持久能力を高めることになります。

またボディビルダーやアスリートなどのトレーニングしている人は、当然ベンチプレスだけでなく背中や脚など胸より筋肉が大きい部位を鍛えるので、体重は重くなります。

そうなると回数を競うベンチプレス勝負で圧倒的に不利になってしまいます。
単純な力比べをしたいなら体重関係なしに、もしくは体重別にMAXが何kgか競いあうのが妥当でしょう。
パワーを競いたいなら、昔某番組であった樽投げもいいかもしれません。

どの道そういった対決をすると、主役にしたい武田真治氏が活きないので、やはり武田真治氏が有利な(トレーニーにとって一般的に)軽い重量で高回数を競う種目がいいのでしょう。

これは陸上100m走スプリンターたちを10000m走で競わせてボコる競技なのです。
体重が軽く力が強い人が有利なので、筋トレをしっかりやるレスリングや柔道などの軽い階級の人なら勝ち目は十分あるはずです。

個人的にはコージ氏が体重100kgもあり、少しふっくらして、100kgを12回も挙げたことが一番の驚きでした。
きっと増量期で今一気に体作りをしているのでしょう。

ベンチプレス フォームと補助種目―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.2〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 2)

LINEで送る
Pocket

【才能なんて微塵もいらない】30歳40歳からでも遅くない 中年筋トレ初心者が最短で目指す本気のベンチプレス100kg

LINEで送る
Pocket

ベンチプレス100kgは男の勲章

ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)
ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)

筋トレに遅いはない 誰でも上がる100kg

はじめてのベンチプレスでは、40kgも上がらないかもしれない。
30kgをたった数回やっただけで何日も何日も筋肉痛が抜けないかもしれない。
100kgなど到底上げることのできない夢のまた夢と思ってしまう人がいるかもしれない。
100kg上げる人は筋トレの才能に溢れた人だ、若いときからずっとやっていた人だ。
筋トレ未経験者、もしくは初心者の中年には100kgなど到底無理だ。
そんなことを思っているは大勢人もいるかもしれません。

しかしそんなことは一切ありません。
ここにはいくつかの間違いがあります。

まずベンチプレス100kgを上げるのに才能は微塵も必要ありません。
血の滲むような努力も必要ありません。
正しい努力をある程度継続すれば、さほど難しくなく上げることができます。

また中年男性の年齢など何の障壁にもなりません。
筋肉はいくつになっても成長することがわかっています。それはたとえ90歳であってもです。

以下の論文でも次のように示されています。


最近では筋一神経系改善に加えて,高齢者においても若年者と同様に筋肥大による筋力アップが多くの研究者によって認められている.
最も高齢者を用いた研究では,90歳を対象に約15%の筋横断面積の増大を報告している.
これらの研究により,筋力トレーニングのような高強度の運動であれば,人は何歳になっても,筋量増加のトレナビリティを有していると結論できる.

出典:高 齢者の筋特性と筋カトレーニング

日本のベンチプレス・マスターズの記録を見ると、70歳を越えても120kg級を上げる人がゴロゴロいます。
しかも退職してから始めたとか、40歳からはじめて200kg以上上げたとか驚愕の人たちばかりです。

以前NHKで紹介された山本茂樹さん(72歳)は、70歳以上66級で、世界新記録の128kgを上げました。
運動習慣もなく63歳で退職し、9年後に128kgで世界新記録を樹立したのです。

NHK:ベンチプレス世界一! 72歳のアスリート

ベンチプレスマスターズ大会で上位に食い込むことは至難の業ですが、30歳、40歳でベンチプレス未経験でも100kg程度なら誰でもそこそこの努力で上がるのです。
物事をはじめるのに遅いはありません。思い立った今が一番若いのです。

まずはフリーウエイトがあるスポーツジムに通う、もしくは自宅にベンチプレス

当然ですがまず自らをベンチプレスができる環境に置かなければいけません。
自宅や職場の近くにフリーウェイトトレーニングができるスポーツクラブを探しましょう。重要なのはフリーウェイトがあることです。
以下のような器具ではいけません。

IROTEC (アイロテック) NEWマルチホームジムDX150ポンドタイプV2/ベンチプレス 筋トレ 器具 ダイエット ダンベル トレーニング

このベンチプレスマシンでたとえ100kg上げられてもフリーウェイトのベンチプレスでは70kgも上がらないかもしれません。
フリーウェイトは軌道が固定されていないのでバランスを取る筋力が必須です。
ベンチプレスでも肩、背中、腹筋、背筋、脚などさまざまな筋肉を動員して体を安定させ、シャフトを上に上げるバランスを取っています。

ベンチプレスマシンでは大胸筋にターゲットを絞って鍛えられますが、一般人やアスリートにとって意味はほとんどありません。怪我やリハビリ、もしくはターゲットを絞りたい明確な理由等ない限り、ウェイトマシンで行うメリットはあまりありません。

ダンベルだけしか置いてない所でもフリーウエイトがあると謳うことがあるので注意して下さい。
またウェイトマシンやランニングマシンが中心でフリーウェイトの器具が少ないと、そこに人が殺到し、満足にトレーニングできないことも非常に多くあります。
とくにベンチプレスは大人気なのでどこでも大混雑が起こりやすくなってしまいます。

できればゴールドジムのようなフリーウエイト専門のジムで本格的なトレーナーがいるジムが理想的です。
ベンチプレス100kgを目指すのにプールもスタジオもルームランナーも一切いりません。
必要なら各自治体にある公共施設のジムやプールに行けば十分です。1回数百円でプールもシャワーも使えたりします。
ゴールドジム・メソッド―すべての人々に結果をー“筋トレ”の基本は万国共通! (B・B MOOK 1206)
ゴールドジム・メソッド―すべての人々に結果をー“筋トレ”の基本は万国共通! (B・B MOOK 1206)

自宅でゆっくり自分のペースで好きなときに好きなだけやりたいならベンチプレス台を購入してホームジムを作りましょう。
誰にも気兼ねなくベンチプレスができるのは至福の時です。スポーツジムでのあの混雑を知っていたら尚更です。
残念ながらジムにもルールを守れない人も少なくありません。台をずっと独占している人、集団で占領している人。
なかなか解決し難いどこにである話です。そういった意味でも自宅にベンチプレスがあればストレスフリーで存分にできるので、決して高い買い物でありません。

IROTEC(アイロテック) プレスベンチ
IROTEC(アイロテック) プレスベンチ

取るスペースも小さい二人掛けソファー程度です。折りたたんで収納もできるので、思ったより窮屈さは感じないでしょう。
ベンチプレスは決して難しいトレーニングではありません。下記で紹介するバーベルの落下防止の安全器具さえ確保しておけば自宅でも十分100kg程度なら目指せます。
ファイティングロード (FIGHTINGROAD) ベンチセーフティ
ファイティングロード (FIGHTINGROAD) ベンチセーフティ

正しいフォーム&正しい回数

正しいフォームは下記の動画を参照してみて下さい。
英語ですが、見るだけでも非常にわかりやすく説明してあります。日本のそれとは雲泥の差です。
脚の位置や背中のフォーム、グリップ、軌道を全て映像でわかりやすく編集されており、視覚だけでしっかり理解できます。
ここまで詳細にベンチプレスのフォームを解説している動画はなかなかありません。一見の価値ありです。

重量設定ですがまずはギリギリ上がる10回を3セットを基本とし、2日から3日空けて行いましょう。これが筋トレの大原則であり基礎で重要な土台作り方法です。基礎なくして応用はありえません。
自分の体重を10回程度上げられるようになったら、高強度にし4回程度上げられる重さで神経系統を狙って行ったり、隔日で行ったり、負荷を軽くして20〜30回の高回数で追い込む筋トレを行ったり、いろいろ試してみましょう。高負荷や疲れが残るような追い込みはやめて毎日ベンチプレスを行ってみる高頻度トレーニングもいいでしょう。

[nopc] [/nopc]

筋トレは刺激が非常に重要です。刺激に慣れてしまったらそれはもはやトレーニングではありません。つまり刺激を定期的に変えるということはトレーニングの質を維持するということになるのです。

筋トレは長い歴史がありますが、いまだにこれが誰にでも最も効果がでる唯一の方法というものがありません。
毎日行うこと高頻度トレーニングを推奨する人もいれば、超回復理論を引き合いに48〜72時間周期を薦める人、週1回で十分という人まで、まさに千差万別です。

このように違いが生まれる原因は、それぞれ各個人が試行錯誤して長年の経験で得たその人自身の最適解と信じているからです。
その人自身の最適解が、他者の最適解ということはありませんし、もしかしたらその人にはまた違った最適解があったかもしれません。

しかし最初から基本を無視しても成果が上がらないばかりか怪我にもつながってしまいます。
まずは基本のやり方でじっくり土台を作ることが最優先です。基本の上に応用が存在するのです。

基本をみっちりやり、習得できた上でさまざまな方法を試してみましょう。まずはベンチプレスの第一人者たちの方法をさまざま試しすのがおすすめです。
正解はありません。ただし試したら4週間以上は継続してみましょう。どの方法でもすぐに成果が出るわけではありません。

自分の筋トレの最適解探しも筋トレの一つの醍醐味です。知識を得て、最新のトレーニング情報に目を光らせながら試行錯誤することこそがトレーニングなのです。
千代の富士や室伏広治、イチロー、為末大など歴史にその名を残すトップアスリートはそれぞれが独自のトレーニング方法を持っていました。そしてそれは誰にでもあうものではありません。トレーニングの正解ではなく、個人の最適解なのです。

容易にサプリメントに逃げない正しい栄養摂取こそが真の肉体を作り上げる

筋トレの効果を活かすも殺すも栄養次第。

栄養摂取ではタンパク質は当然のこととし、タンパク質をアミノ酸へと分解するビタミンB群、血液を作ったりさまざまな働きをするミネラルも重要です。
また避けられがちな糖質ですが、体を動かすエネルギーになったり、筋肉中のエネルギー(筋グリコーゲン)となって維持され、爆発的な力を発揮するときに必要不可欠です。
激しいトレーニングをすると筋グリコーゲンが枯渇するので素早い補給が、筋疲労回復に役立つと言われています。
また脂質も臓器や細胞の保護、ビタミン吸収に欠かせない栄養素です。

まずはすぐにサプリメントに頼るのではなく、食事から栄養を摂取することを心がけましょう。
咀嚼によって唾液が分泌されることで吸収を良くします。また胃酸の分泌にも影響します。当然胃酸の分泌が少なければ栄養吸収率は悪くなります。

サプリメントにお金をつぎ込むより、食事を5回取るくらいの意識のほうが有益です。
食事と言っても、メインの食事の間に玉子やトマト、チーズに牛乳などの軽食で構いません。トレーニング後には素早い糖質とタンパク質摂取のため、果物やヨーグルトなど用意しておくといいでしょう。

食事に意識が行かない人が、いくらサプリメントを買い揃えても仕方ありません。プロテインで月1万円使うのなら、毎食事にトマトや卵をつけ、間食にヨーグルトなど食事に使いましょう。容易にサプリメントに逃げない姿勢こそがベンチプレス100kgへの道に繋がります。

どのカテゴリーの強豪チームも専門の栄養士をつけていることが多くあります。柔道全日本の監督井上康生はチームに栄養士をつけ徹底的に選手の栄養摂取を図ったそうです。

ジムに通う人の栄養学 (ブルーバックス)
ジムに通う人の栄養学 (ブルーバックス)

最新版 アスリートのためのスポーツ栄養学: 栄養の基本と食事計画 (GAKKEN SPORTS BOOKS)
最新版 アスリートのためのスポーツ栄養学: 栄養の基本と食事計画 (GAKKEN SPORTS BOOKS)

ストレッチ?マッサージ?いや早く寝なさい 休息

筋トレ、栄養ときたら最後は休息です。
成長ホルモンは睡眠中にもっとも分泌されます。つまり筋合成がもっとも進むのは睡眠中ということです。もちろんそれ以外のときも分泌はされています。
必要睡眠時間は個人差が多く、絶対に何時間寝るべきという指針はありませんが、推奨されているのは6時間以上で8時間がいいとされています。
睡眠時間確保は忙しい現代人にとって難しい場合も多々ありますが、トレーニングをした日くらいは早めの就寝を心がけましょう。

睡眠時間を削ってマッサージやストレッチはナンセンスです。
マッサージやストレッチは実は筋疲労の回復にはあまり効果がないと言われています。
もちろんリラックス効果や筋肉の張りの回復等、効果が全くないわけではありませんが睡眠時間を削ってまで行う必要性は限りなく低いといえるでしょう。

リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─
リカバリーの科学 ─スポーツパフォーマンス向上のための最新情報─

まとめ

さてここまでいかにベンチプレス100kgに向けて筋トレに向き合うかその道程を示してきました。

年をとってもいくらでも筋肥大をする。だから遅いということは無い。
ベンチプレスの正しいフォームと基本の回数とセット数、さらに刺激を継続的に変えること。
サプリメントでなくバランス取れた食事を基本とし栄養摂取を心がけるべし。
マッサージよりストレッチよりまとまった睡眠が筋肉を回復させ大きくする。

以上のことはベンチプレスだけに限らずトレーニング全般に言えることです。
ここで重要なことは、栄養や睡眠にいくら気をつけても、プロテインやクレアチン、BCAAなどサプリメントをどんなに摂取しても、トレーニングのボリュームと質が悪ければ元も子もないということです。
よく栄養や休息を無視すると筋肉は全くつかないという論調を見受けますが、そんなことはありません。筋トレの質が良ければ、筋肉は必ずついていきます。
まずは筋トレそのものの質を大切にしましょう。

最初の3ヶ月間は基本の10回ギリギリの重量と3セットで行い、基礎となる土台を作り込みましょう。
そうすれば70kgを数回は上げられるようになるでしょう。
70kgが10回以上上がれば100kgは目前です。ここでさまざまな刺激を与えてみましょう。
特におすすめは3、4回しか上がらない高重量で2,3セットの高重量低回数のトレーニングで重さに慣れる方法です。ここでは追い込みはしません。疲労が溜まらないので週5回くらいやってもいいでしょう。

よく補助種目でインクラインベンチプレスやダンベルプレスなどやる場合がありますが、基本はノーマルのフラットベンチプレスだけで十分です。フラットベンチプレスでしっかりボリュームと質、刺激の変化を意識すればいいのです。

そして最後に、確実に効果がでる簡単な方法を伝授します。
それは体重を増やすことです。体重とベンチプレス挙上重量は比例します。
体重が増えれば上がりやすくなるのです。

以下の論文にも次のように示されています。


一般にベンチプレスの最大挙上重量は,絶対値について体重が重い者ほど高値を示し


ベンチプレス・トレーニングを実施した本研究では,これらの報告とは異なり,挙上重量は体重の増加に伴い正比例的に増加する結果を示した(Fig.1,2)。

柔道選手において6RMベンチプレス ・トレーニングを実施した場合の最大筋力推定法についての検討

質のいいベンチプレストレーニングをしながら体重を増やしていけば、少なくない中年筋トレ初心者でも1年で100kgも達成できるでしょう。
1年前貧弱な中年オヤジとはおさらばです。
同僚、家族、友人から必ず尊敬の眼差しで見れるでしょう。
肉体という最高の名刺を手に入れることになるのですから当然です。

ここでだらだら100kgに挑戦していると、その分脂肪も乗りやすくなってしまいます。かといってアンダーカロリー状態では筋肥大はしにくくなってしまいます。
オーバーカロリー状態にしておくことが筋肥大には重要なのです。

みっちり筋トレして1年で100kgを達成してから、一気に脂肪を削りましょう。
そうすればもう中年体型とはおさらばです。

肉体が変われば精神も変わる。精神が変われば人生が変わる。

思い立った日が一番若い。
目指せベンチプレス100kg!

LINEで送る
Pocket

続)筋トレ不要論蔓延る日本  ラグビー日本代表が証明した筋トレの重要性

LINEで送る
Pocket

筋トレ不要論蔓延る日本スポーツ界

Tarzan (ターザン) 2015年 5月14日号 No.671 [雑誌]
Tarzan (ターザン) 2015年 5月14日号 No.671 [雑誌]

前回で日本に蔓延る筋トレ不要論について述べました。世界で圧倒的に活躍する選手はどの競技においても本格的にウェイトトレーニングを取り入れており、そしてベンチプレス100kg挙げることは全く特別なことではなくもはやスタンダードなレベルという内容でした。

フィジカルの強さはアスリートには必要不可欠ということに疑問を呈する人はほとんどいないはずです。しかし筋トレで筋肥大させ大きい筋肉をつけることに否定的な風潮は根強くあります。

以下はトレーニングをする上で覚えておかないといけない重要なキーワードです。

パワー = 筋力 × スピード筋力は筋肉の断面積に比例する

高齢者においても骨密度、筋断面積が大きいほどパワーがあり、ウェイトリフティングの成績に大きく関係しているという論文、「マスターズ・ウエイトリフティング選手の骨密度,筋力,筋断面積から見た高強度レジスタンストレーニングの影響 」が発表されています。筋トレの原理原則は、筋肥大をさせ筋断面積を大きくすることにほかならないのです。それはスポーツ選手でも高齢者でもボディビルダーでも基本原理は同じなのです。

なぜボディビルダーの筋肉は使えないのか

ボディビルダーの筋肉を使えない筋肉という話もよく耳にします。しかし彼らボディビルダーの発達した巨大な筋肉が発揮するパワーは凄まじく強いのです。ベンチプレスやスクワットも信じられないくらいの重量を挙げることができます。しかしスポーツや競技になると途端にその力は有効に発揮されにくくなってしまいます。何故ならばトレーニングの原理原則の一つ「特異性の原則」に則っていないからです。

競技力を上達させるにはその競技の練習をしないと決して上達はしません。100m選手がいくらスクワットをしてもそれだけで100mは速くなりません。ベンチプレスやアームカールでどんな高重量を扱えようが競技練習なしにアームレスリングのチャンピョンにはなれません。筋トレだけで野球での打球や投球の飛距離もサッカーのシュート力もあがりません。

ボディビルダーは筋肉と神経を連動させるトレーニングをしていないので連続した動きの中で力を発揮するのを得意としていません。彼らは筋トレで筋肉に効果的に負荷を与えます。これを専門用語で「効かせる」と言います。ストリクト(stric:厳密、厳格)に筋トレをしているとも言えます。反動を一切使わず狙った筋肉だけを丁寧に追い込む方法です。

ボディビルダーは動きのなかで力を発揮するのが得意ではなく、体を台の上などで安定させて力を発揮するのが得意なのです。ボディビルダーの筋肉が使えないのではなく運動や競技のなかで力を発揮することが不得意なのです。

トレーニングの原理原則について詳しくは「筋力トレーニングの三大原理・5大原則」を参照ください。
使える筋肉・使えない筋肉 理論編―筋トレでつけた筋肉は本当に「使えない」のか?
使える筋肉・使えない筋肉 理論編―筋トレでつけた筋肉は本当に「使えない」のか?

アスリートが取り入れるクリーン系トレーニングで筋肉と神経を連動させる

スポーツ選手は筋トレメニューに下の動画のパワークリーンなどクリーン系のトレーニングを取り入れています。

クリーン系トレーニングは瞬発力などの爆発的なパワーを複合的な動作で一気に発揮するトレーニングで、運動競技に非常に効果的で神経系のトレーニングでもあります。
効かせることとは正反対で、いかに多くの筋肉を効率的に動かし、反動を使って重いウェイトを一気に挙げることが大切になってきます。

トップアスリートは大きな力を発揮するために、筋断面積の増加、つまり筋肥大をターゲットとした筋トレを行うことが先決です。クリーン系トレーニングで大きな力を爆発的に発揮するトレーニングを行うことで筋肉を複合的に、そしてより競技特性に近い動作を鍛えることができます。それと併せて競技トレーニングや心肺機能向上などスタミナアップのトレーニングをし、競技でよい結果を残したり、相手に競い勝つことができるのです。筋力だけで勝てる競技はありません。力自慢が集まるアームレスリングの大会でも同じことが言えます。しかしまたテクニックやスタミナだけでも相手に競い勝つことはできません。世界が相手であるならば尚更のことです。世界で活躍するには、筋肉の鎧を身にまといながら、スピード、スタミナ、テクニック、スキルを身につけ戦わなくていけないのです。

ラグビー日本代表の快挙は早朝からの筋トレだった

1301日のJAPAN WAY―ラグビー日本代表、ワールドカップまでの4年間 (B.B.mook)
1301日のJAPAN WAY―ラグビー日本代表、ワールドカップまでの4年間 (B.B.mook)
歴史的勝利をしたラグビー日本代表。彼らは長期間の合宿のなか、朝5時から行われる筋トレで1日が始まります。そして午前と午後に競技練習し夕方にまた筋トレをするのです。日本代表に招集される選手たちはトップクラスの選手で当然筋量も国内ではトップレベルでした。しかし前監督のエディー・ジョーンズはこの程度では世界では通用しないと全日本の選手たちに過酷な筋トレをさせたのです。筋肉で体重が大幅アップし、さらにS&Cトレーニングを導入しスピードもスタミナもアップさせたのです。

エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡――
エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡――

結局、ベンチプレスはスポーツに必要なのか?

なぜトップアスリートはベンチプレスで高重量を挙げることができるのでしょうか。ベンチプレスが役立つ競技はそんなに多くはないはずです。大胸筋がいくら発達していても競技で最高のパフォーマンスに繋がりません。しかしベンチプレス100kg挙げられる選手は脚や背中の筋トレもしっかり行っておりトータル的に全身の筋肉が発達しているのです。

世界のアスリートたちがベンチプレス100kgを簡単に挙げられるからといってもやはり100kgは並大抵の努力では挙げることはできません。真摯にトレーニングに向き合い、日々の絶え間ない努力の継続、小さな成果の積み重ねがベンチプレス100kgを可能にするのです。そのような姿勢は当然ながら他のトレーニングにも対しての取り組み方にも通じるてくるのです。

全面性の原則

トレーニングの原理原則で述べましたがトレーニングの原理原則に「全面性の原則」というものがあります。「ある部分の能力を上げたいのなら、バランスよく他の体力的要素も向上させなければならない」という原則です。

全てを満遍なく鍛え、そしてそれが「個別性の原則」や「特異性の原則」に繋がっていくのです。「個別性の原則」とは「遺伝などの先天的な能力やトレーニングなどで獲得した後天的な能力を合わせ、個人の体質やさまざまなレベル、年齢など考慮しトレーニング内容を選ぶ必要がある。トレーニングメニューは千差万別、十人十色であることを念頭にトレーニングに選定することが重要」という原則です。「特異性の原則」とは目的に応じてのトレーニングが必要ということです。短距選手がフルマラソンの練習をしても100mは早くならないので競技の特異性に応じてトレーニングメニューを選定する必要があるといことです。

本物のトップアスリートのトレーニング、パフォーマンスを動画で体感しよう

下の動画を観てトレーニング、力強さ、パフォーマンスとはなにかという意識を再構築してみましょう。ウサイン・ボルトのウェイトトレーニングや世界最強のラグビーチーム、ニュージーランド代表「オールブラックス」のトレーニング、そして日本人最強のアスリート室伏広治のトレーニング動画を紹介します。

ウサイン・ボルト

競技:陸上
所属:ジャマイカ
体格:身長196cm、体重94kg
記録:
100m 9秒58(2009年、世界記録)
150m 14秒35(2009年、世界最高記録)
200m 19秒19(2009年、世界記録)
400m 45秒28(2007年)
◎ベンチプレス120kg

クリスティアーノ・ロナウド

競技:サッカー
所属:レアル・マドリード
体格:身長185cm、体重80kg
ウェイトトレーニングメニュー:

◎ベンチプレス100kg 6回×4セット
・スクワット150kg 6回×4セット
・クリーン75kg 6回×4セット
・レッグプレス200kg 6回×4セット
・デッドリフト200kg 6回×4セット
・ショルダープレス70kg 6回×4セット
・アームカール30kg 6回×4セット
・トライセプスエクステンション30kg 6回×4セット
・ラットプルダウン75kg 6回×4セット

世界最強ラグビーチーム、漆黒の軍団オールブラックス(ニュージーランド)の貴重なウェイトトレーニング風景

オールブラックの代表的な選手のステータス

ジョナ・ロムー
体格:身長196cm、体重120kg
100m 10.8秒
ベンチプレス 200kg

ソニー・ビル・ウィリアムズ

体格:身長191cm、体重108kg
ベンチプレス 310lbs(140kg) × 3回

室伏広治

競技:投擲
体格:身長187cm、体重99kg
100m 10.6秒
立ち幅跳び 360cm
垂直跳び 110cm
◎ベンチプレス170kg
スクワット250kg
背筋力389kg
握力120kg

[nopc] [/nopc]
LINEで送る
Pocket

【フィットネス大国との差】日本人平均ベンチプレス挙上40kgからMAX100kgへの道のり

LINEで送る
Pocket

筋トレの王様ベンチプレス 100kg挙げられるのは国内人口の1%!?

ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)
ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)

ベンチプレス100kgの壁

ベンチプレスMAX100kg、つまり100kgを1回挙げること。
初心者の筋トレーニーの憧れ、最初の目標、そして本物の筋トレーニーへの登竜門となるベンチプレス100kgの壁。

筋トレをしていない男性の平均ベンチプレスは40kgと言われています。
ちなみに163cm50kgの浅田真央が現役の頃、ベンチプレスは47kgでした。
さらに以下の芸能人がベンチプレス100kg挙げると言われています。

・松本人志(スミスマシンで130kg、フリーでは100kg挙がらず)
・長渕剛
・武田真治
・なかやまきんに君
・レイザーラモン

ベンチプレス100kgはウェイトトレーニングをある程度している人にとっては難しい重さでありません。
しかし日本の成人男性のベンチプレス平均が40kg台なとのでそこから100kgまで持っていくのは決して楽な道のりではありません。

男性の平均体重が65kgほどなので、一番最初の目標は体重を1回挙げることになります。
65kgを10回挙がるようになれば、およそ86kgが1回挙がることになります。
86kgが6〜7回挙がるよになれば、計算上では憧れの100kgに届くことになります。

日本のフィットネスジムに通っている人数は全人口の3%ほどです。
たった3%と驚く人もいるでしょう。
参照:フィットネスオンライン

昨年(2015年)1年間で何らかの運動をした人は7184.3万人です。
もっとも多く行われた運動は「ウォーキング・軽い体操」で4017万人、次が「ボウリング」で1462万人、「水泳」が約1200万人、4番目に多かったのが「器具を使ったトレーニング」、そして「ジョギング・マラソン」、「登山・ハイキング」と続きます。
参照:総務省統計局

ちなみにアメリカのフィットネス人口は17%、イギリスは13%です。
アメリカでもウォーキング、ボーリングの順に実施者が多く、次にランニングマシンでのランニング、フリーウェイトのダンベル運動となり、日本と運動種目ではあまり違いがないことがわかります。
また1週間に150分以上の「ややきつい~非常にきつい」運動をおこなった成人(18歳以上)の割合64.5%に対し、全く身体活動を行なわなかった成人の割合は25.4%となっています。
非鍛錬者のベンチプレスは61kg(135pounds)となっています。
アメリカ人の平均体重は88、7kg(195.7pounds)です。

体格の大きいアメリカ人にとってのベンチプレス100kgは大きな壁にはならないでしょう。
この先天的なフィジカルさを埋めることこそが日本スポーツ界の課題です。
端からフィジカルでは勝てないと逃げ続けていなたのが日本スポーツ界でしたが、近年は大きく変わり始めています。
参照:1-3 諸外国(12ヵ国)のスポーツ振興施策の状況 アメリカ
参照:How Much Weight Can the Average Man Lift?
参照:Average Weight of an American Man is 15 Pounds More Than 20 Years Ago

オリンピック種目でもあるウェイトリフティングの国内競技人口はたった4000人

Ultimate Olympic Weightlifting: A Complete Guide to Barbell Lifts—from Beginner to Gold Medal
Ultimate Olympic Weightlifting: A Complete Guide to Barbell Lifts—from Beginner to Gold Medal

フィットネスジムの人数が人口の3%(360万人)のなか、人口1%(100万人)の人がベンチプレス100kgを挙げられると言われますが、フィットネスジムに通う30%もの人がベンチプレス100kg上げられるわけはありません。
大部分のジムはフリーウェイトすらないのが現状です。
ジム側も初心者にフリーウェイトを使われ怪我リスクを高めるより、マシンで安全に、そして人手もかからないようにしたいのです。

パワーリフティングというベンチプレス、スクワット、デッドリフトのBIG3と言われる3種目の合計重量を競う競技があり、その国内競技人口は20000人と言われています。
一方オリンピック種目であるにも関わらずウェイトリフティング(スナッチ、クリーン&ジャーク)の国内競技人口は4000人程度です。
オリンピック選手を目指すなら少ない競技人口で努力の要素が強く6年程度で出場できる可能性があると記事で紹介されています。
今から練習すれば、大人でも東京五輪を目指せる競技がある!

参照:ベンチプレス世界一! 72歳のアスリート

西欧では運動部でない人も筋トレやジョギングなどトレーニングをするのが当たり前

アメリカはフィットネス大国で、体を鍛えることを日課としている人は多くいます。
歴代のアメリカ大統領はジョギングやスポーツの愛好家です(トランプ除く…)。
毎日ジョギングしていたブッシュ大統領はマラソンで3時間44分52秒で走り、クリントン大統領は週4回6Kmのジョギングとジムでの筋トレを日課としていました。
対立候補者だったゴアもマラソンを4時間58分25秒、週30Km走り、移動中の飛行機の中は腕立て伏せなどの筋トレをやっていたそうです。

学生も大学の昼休みなど運動部でない人も学内のジムで筋トレをしている人が大勢います。
日本の大学では限られた運動部くらいしか使うことのないジムでも、多くの留学生が筋トレをしてるなんて風景も珍しくありません。
海外のホテルでもスポーツジムが併設され、欧米人が多くトレーニングしています。
極稀にアジア人もいますが、日本人に出会うことはほぼありません。

アメリカ西海岸のサンタモニカから徒歩30分程のベニスビーチには筋肉の聖地「マッスルビーチ」があります。
ボディビルダー発祥の地でもあり、ボディビルダー界の神でもあるアーノルド・シュワルツェネッガーがトレーニングしていた場所です。
砂浜の中、青空の下突如現れるウェイトトレーニング場の光景は圧巻です。
まるでアメリカの漫画に出てくるムキムキのヒーローみたいな人ばかりが集まり、異様な風景が広がります。
決してビーチに馴染むことないその凄まじい風景はアメリカがフィットネス大国だということを強烈に物語っています。


MAX換算表

一般人はベンチプレスMAX測定はなかなかできません。
サポートしてくれるパートナー、フリーウェイト設備、セーフティなど安全面の確保、MAXに挑戦できる筋力などMAXを計るにはいくつかの条件が揃わなければなりません。

実際にMAX測定ができなくても、計算式である程度の目安は算出できます。

スクリーンショット 0027-01-31 0.08.24

上記を参考にすれば100kgを挙げるのに75kgを10回挙げなければいけません。
一般人の平均ベンチプレスよりも10kg重い55kgを10回挙げてようやくMAX75kgです。
その75kgをさらに10回挙げなければ100kgは挙げられません。
100kgまでが茨の道が想像ができるはずです。

このRM換算表は個人によってばらつきが大きく出ます。
75kgが10回挙がっても90kgが1〜2回程度の人もいれば、70kg10回の人が100kg挙がる場合もあります。
速筋が強いか遅筋が強いか、神経系が優れているのか、腕が長いか短いかなどさまざまな要因で重いものを持ち上げるのが得意なのか回数をこなすことが得意なのか変わってきます。

より正確なベンチプレスMAX計算式

下記の計算式はMAXに幅を持たせてあるので上記のものより精度が高いと言われています。

1RM =
挙上重量 ÷ 40 × 挙上回数 + 挙上重量
〜
挙上重量 ÷ 33.3 × 挙上回数 + 挙上重量

この間がMAXとなります。
75kgが10回挙がる場合、「75kg ÷ 40 × 10回 + 75kg = 93.75」と、「75kg ÷ 33.3 × 10回 + 75kg = 97.5」。
93.5〜97.5kgがMAXとなります。

まとめ

トレーニングマガジン vol.45 特集:華麗なるベンチプレス (B・B MOOK 1313)
トレーニングマガジン vol.45 特集:華麗なるベンチプレス (B・B MOOK 1313)

ベンチプレスは誰もが大好きな種目です。
筋トレするなら脚や背中もしっかり鍛えろと言われます。
確かにそうですが、まずは好きな筋トレからのめり込むのも肉体改造の導入にはいいのではないでしょうか。
ベンチプレスは他の種目と比べると難しくなく、重い重量も上がりやすく、また筋肥大も目立ちます。

筋トレの導入には最適です。
ただいつまでもベンチプレスばかりやっていると「ベンチ豚」と揶揄され、不格好な肉体になってしまいます。
体全体の筋肉量を増やしたほうがベンチプレスも挙がりやすくなります。

100kgまで長い道のりですが決して達成不可能ではありません。
そして100kgを達成した瞬間、そこからさらに長い旅路の始まりです。

写真トップ:flickr

LINEで送る
Pocket

【まるで豚?】胸筋は異様に分厚いのに脚は細く背中は平ら そんな彼らはベンチ豚?

LINEで送る
Pocket

ベンチプンチ豚!

筋トレの王道、BIG3の一つ「ベンチプレス」

ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)
ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)

ベンチプレス、スクワット、デッドリフト。これらの筋トレをBig3(ビッグスリー)と呼びます。大胸筋、大腿四頭筋、大殿筋、脊柱起立筋、広背筋などの体の大きい筋肉を鍛えることがこの3種目で鍛えることができます。大きい筋肉を鍛えるということはそれに付随した小さい筋肉群も鍛えることができ、さらに腹筋やインナーマッスルも鍛えられます。筋トレ初心者はこのBig3だけを3ヶ月程度みっちり行えば十分な効果が出ます。腹筋やインナーマッスル、アームカールなど小さい筋肉をいくら鍛えても効果は僅かです。

ベンチプレスでは主に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部を鍛えることができます。フリーウェイトのベンチプレスでは体幹を安定させるために腹筋や脚の筋肉も使います。マシンのベンチプレスを中心にやっている人がフリーウェイトを行うと体が安定せずふらふらしてしまい、マシンでは挙げられた重量がフリーウェイトでは全く上がらないことがほとんどです。体幹の安定なく腕や胸の力だけではフリーウェイトのベンチプレスは挙がらないのです。

ベンチプレスで上半身の60〜80%の筋肉を鍛えられるという情報があるようですがそれは大きな誤解です。上半身には広背筋や脊柱起立筋など大胸筋より大きな筋肉があり、腹筋、三角筋後部や僧帽筋などベンチプレスでは鍛えることができない上半身の筋肉は多くあります。しかしこのような誤解が広がるほどベンチプレスの人気は圧倒的で、初心者から上級者までこよなく愛されています。手軽にでき成果が現れやすく見た目にも大きく反映され、そして「ベンチプレス何キロ上がる?」という文言が力自慢たちの合言葉となりベンチプレスの人気が断然高くなっているのです。

・初心者でもスクワットやデッドリフトと比べ比較的簡単にフォームを習得できる。
・胸の筋肥大はもっとも筋トレの成果を感じやすくトレーニング効果を体感しやすい。
・力の強さをベンチプレス何kg挙がったかで比べることが多い。
・トレーニングレベルの指標になっている。

こののような理由からベンチプレスは古今東西大人気のキングオブトレーニングとなっているのです。フリーウェイトがあるスポーツジムではベンチプレスの争奪戦や順番待ちが常態化しています。思い通りにトレーニングができないため、自宅にベンチプレスを買ってしまう人も決して少なくありません。スペースは一畳分で使わないときは折りたため、値段もリーズナブルで費用対効果がとても高いトレーニング器具です。
ファイティングロード (FIGHTINGROAD) トレーニングベンチ
ファイティングロード (FIGHTINGROAD) トレーニングベンチ

全面性の原則を無視するとベンチ豚になる

トレーニングには「3原理5原則」という理論があり、その中に「全面性の原則」があります。全身の筋肉をバランスよく鍛え、無酸素運動や有酸素運動もバランスよく取り入れ、パワー、俊敏性、柔軟性、持久力などトータル的に鍛えることがトレーニングには重要という原則です。「全面性の原則」は基礎体力となり肉体の土台になります。土台がしっかりしてこそテクニックやスキル、そして戦術が活きてくるのです。3原理5原則については筋力トレーニングの3原理・5原則に書きましたので参照ください。

ベンチプレスだけをこよなく愛する人をベンチ豚と揶揄する言葉があります。ベンチプレスだけに夢中になりとにかく高重量を挙げることが生き甲斐で、他のトレーニングを疎かにしている人を指します。有酸素運動はもちろん脚や背中のトレーニングをあまりしないため、大胸筋だけが物凄く発達し、その割に脚が細く、また脂肪が多いため、まるで豚みたいな体型の人をベンチ豚と一部では揶揄するのです。ベンチプレス100kgを数回挙げたとしても大胸筋や腕、肩まわり以外は細く、そして一般人でも走れる10km程度も走れず、脂肪が乗った肥満体型だとしたらベンチ豚と言われているかもしれません。

胸はトレーニングの中でも簡単な肉体改造の第一歩であり基本中の基本です。筋肉の成長を一番実感でき肉体改造の醍醐味をすぐに体感できます。ここからトレーニングの楽しさ、奥深さを知り、トレーニングの本質への探求が始まる人は多くいます。それをきっかけに昨今のフィットネス業界の流行りのダイエット・筋トレ方法の胡散臭さに気づけるかもしれません。効果のない腹筋器具、あやしいダイエット食品、まがい物のダイエット方法などフィットネス業界にノセられるといくらお金があっても足りません。しっかりした知識があれば高級パーソナルジムに通うことなく理想の肉体を手に入れることも可能です。

ベンチプレスで体を鍛えることの楽しみを覚えたら、残りのBig3のスクワット、デッドリフトもしっかり行い、適度に有酸素運動、ストレッチも行いましょう。これが体を鍛えるということです。ベンチ豚を目指す人以外は全面性の原則を意識してトレーニングに励みましょう。

DVD付き 狙った筋肉を鍛える! 筋トレ完全バイブル
DVD付き 狙った筋肉を鍛える! 筋トレ完全バイブル

LINEで送る
Pocket