「有酸素運動」タグアーカイブ

【そのジョギング、あなたにとって悪にもなる】肉体改造に有酸素運動は必要か否か

LINEで送る
Pocket

[nopc] [/nopc]

有酸素運動は使い分けが大事

そのダイエット、脂肪が燃えてません (青春新書インテリジェンス)

そのダイエット、脂肪が燃えてません (青春新書インテリジェンス)

有酸素運動が必要かどうか3つのポイントで判断

達成したい肉体によって有酸素運動が有効かそうでないか違ってきます。トレーニングをするイコール長時間の有酸素運動をしないといけないと思い込んでいる人は大勢います。しかし闇雲に有酸素運動を取り入れればいいというわけではありません。

有酸素運動を取り入れるべきか否かは目標とする肉体、達成時期によって変わってきます。それを知るためには以下の3つのポイントを理解することが大切です。せっかくのトレーニングを活かすも殺すも有酸素運動の取り入れ方で大きく左右されてしまいます。頑張ったトレーニング、その効果を最大限に引き出すために有酸素運動について考えてみましょう。

達成したい肉体

筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法
筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法
ボディビルダーのように脂肪を極限まで落とした筋肉隆々の体になりたいのか、マラソン選手のように細身でどこまでも走れるような体になりたいのか、はたまたお相撲さんやプロレスラーみたいに脂肪がついてもとにかく大きな体にしたいのか。それともスポーツに活かせる体を作りたいのか。有酸素運動は達成したい肉体によって必要性が大きく違ってきます。

ボディビルダーのような極限まで筋肥大した筋肉と削ぎ落とされた脂肪。この肉体を作りたいのなら徹底的に筋肥大を狙った筋トレが必要です。ボディビルダーは増量期と減量期でトレーニング期間を分割します。増量期にはある程度脂肪がつくことを容認し、オーバーカロリー状態を作ります。筋肥大はアンダーカロリー状態では起きにくいのです。大会数カ月前(3〜6ヶ月)から減量期に入りますが、多くのボディビルダーは有酸素運動は行いません。有酸素運動を行うと筋肉の分解(カタボリック)が進んでしまうためです。脂肪を落とすためには徹底した食事制限を行います。必要摂取カロリーより下回るように食事を調整します。その際もアンダーカロリーで筋肉の分解が大幅に進まないように高タンパク質の食事がメインになります。筋肉を大きくし脂肪を減らしたいのなら有酸素運動を取り入れるよりも、筋トレとカロリー制限をすることが最善の方法だと筋肉のプロであるボディビルダーが証明しています。彼らは増量期では10kg程度増量し、減量期でまた同程度まで絞り込みます。増量期で脂肪と筋肉を大幅に増やし、減量期でなるべく脂肪だけを削ぎ落とすのです。まさに除脂肪ダイエットのプロなのです。

マラソン選手のような細身になりたいのなら、アンダーカロリーにしてカタボリックの状態を作ればいいのです。アンダーカロリー状態で有酸素運動を行えばどんどん痩せていきます。カタボリックなので脂肪だけでなく筋肉も減少してしまうので注意が必要です。脂肪を減らすにはカタボリックにせざるを得ず、筋肉が減少してしまうことは理解しておかなければなりません、筋肉減少を抑えるために筋トレをしタンパク質を多めに摂取しましょう。タンパク質摂取で筋肉が増えることはありまえんが、減少幅を小さく抑える効果があるという研究が発表されています。高齢期におけるサルコペニア予防のための 乳タンパク質摂取とレジスタンス運動

一般に普及しているダイエットは筋トレと有酸素運動を組み合わせたものがほとんどです。しかし体を絞る、除脂肪体重をなるべく減らさないで脂肪を減らすには有酸素運動を行うよりも食事制限のほうが圧倒的に楽で効率がいいのです。後述しますが、脂肪の減少量は24時間で見ると有酸素運動も筋トレも変わらないのです。

心肺機能強化が特段必要ないのなら有酸素運動を行う必要はあまりないでしょう。さらに言うと心肺機能強化でも長時間のジョギングは不要です。マラソンのような何十kmも走り続ける能力を強化するには長時間・長距離の走りこみは必要です。しかし球技などの止まったり走ったりの繰り返し(インターバル)運動の場合、心肺機能はHIIT(高強度インターバルトレーニング)などのインターバルトレーニングやサーキットトレーニングが効果的です。短時間で一気に心肺機能の強化もでき、全身持久力や筋持久力、無酸素運動能力、有酸素運動能力向上に効果てきめんです。長時間の運動でないためカタボリックをいくぶんか抑えることができます。基本的に肉体作りに長時間の有酸素運動は必要ありません。ウェイトトレーニングで筋肉をつけ食事制限で脂肪を削ぎ落とす。これこそがボディメイクの王道です。筋トレ後の有酸素運動は脂肪燃焼に効果がありますが筋トレでアナボリックに向いた体をカタボリックに向けてしまうのでやり過ぎは厳禁です。

達成したい時期

目指す肉体をいつまでに達成したいかによっても有酸素運動の必要性が変わります。多少筋肉を犠牲にしても短期的に一気に体を絞りたいのなら有酸素運動は効果的です。有酸素運動を行っているときは確実に脂肪が減っています。明日までに数g減らした場合、もう食事で削るカロリーがない場合など有酸素運動を行えば脂肪は減ります。

また短期決戦を望んでいる人には有酸素運動は効果的です。食事だけでは必要なカロリー不足を作り出せなければ絶食しなければいけなくなってします。有酸素運動を取り入れば絶食しなくてもカロリー消費できます。食事制限で数時間後に痩せることは不可能ですが、有酸素運動であれば数時間後に何gかは痩せることができます。しかし短期決戦だとどうしても筋肉の減少が大きくなってしまうのでそのことは考慮しなければなりません。

使える身体かどうか

Tarzan特別編集 560 五郎丸 歩 PHOTO BOOK (マガジンハウスムック)
Tarzan特別編集 560 五郎丸 歩 PHOTO BOOK (マガジンハウスムック)

肉体改造をするのだから使える体になりたいと多くの人は思うでしょう。太っている人が痩せるだけで、痩せている人がたくましくなるだけで体は機能的になります。筋量が増えれば転倒防止やロコモ、サルコ予防にもなり健康増進になります。使える体の定義は人それぞれですが、健康になるだけでも体が機能的になるとも言えるのではないでしょうか。しかしスポーツ競技に活かせるかは別問題です。競技が上手くなりたいのなら競技の練習をするしかありません。たとえば10の練習をしたら1上手くなる場合、筋トレのおかげで1.3上手くなるかもしれません。10の力を出したら5疲れるのに、筋トレのおかげで4しか疲れないかもしれません。筋肉を活用するためにはその競技の練習が大前提です。圧倒的な筋肉を誇るボディビルダーでも腕相撲の練習もせずに腕相撲チャンピオンにはなれないのです。筋肉で何かのパフォーマンスが自然に上がることはありません。

マラソンやトレイルランニングなどで使える体を手にしたいのなら長時間走るトレーニングは必須です。これは特異性の原則で、身体は受けた刺激にたいし特異的に適応するからです。短距離なら短距離、水泳なら水泳、長距離には長距離とその競技固有トレーニングをする必要があるのです。また有酸素運動は筋トレ後の疲労回復や精神的リフレッシュなど多くのメリットがあるので、有酸素運動を行う際はカタボリックとアナボリックのバランスを意識する必要があります。

有酸素運動の取り入れ方

RUNNING style ベストセレクション
RUNNING style ベストセレクション
上記のポイントを明確にした上で有酸素運動を取り入れるか考えます。筋トレと有酸素運動は相反する効果をもたらします。筋トレはアナボリック(合成)を優位にし、有酸素運動はカタボリック(分解)を優位にします。筋トレ後に有酸素運動を行えば脂肪燃焼は高まりますが、せっかく筋トレでアナボリックを優位にしたのに直後の有酸素運動でカタボリックを強めてしまいまい、筋合成にいい影響を与えません。肉体改造をしているときは常にアナボリックとカタボリック、どちらが優位に働いているかということを意識する必要があります。

脂肪を減らしたいからといって有酸素運動ばかり行っても労力の割に効果は小さいです。毎日250kcalオーバーでひと月7500kcalオーバー、脂肪1kg分の脂肪が増えます。半年で6kg、1年で12kgも太ってしまいます。ご飯1杯分、飴玉10個程度、たった250kcalの積み重ねで気づけば10kgも体重が増えていたなんていうことが起こってしまうのです。

この脂肪1kg、7200kcalを消費するには体重60kgの人の場合120kmも走らなければなりません。フルマラソン3回分です。体重10kgをジョギングで落とすなら1200km、フルマラソン30回分相当にもなってしまいます。毎日10km走っても120日必要です。そして有酸素運動はカタボリックを優位にするため筋肉を分解し、さらに体を省エネ状態にしてしまい有酸素運動をやめ食事量を元に戻せば以前より太りやすくなってしまっているのです。

有酸素運動を行っているときは脂肪減少が高いですが、長期的には筋トレより脂肪減少が優位かというとそうでもありません。筋トレなどの強度の高いトレーニングは運動中は脂肪燃焼は少ないですが運動後もエネルギー消費が高い状態が続き24時間で見ると有酸素運動と脂肪燃焼は同程度となります。

有酸素運動はカタボリックを強くするので筋肉をつけることが優先の場合は筋トレ後の過度な有酸素運動はお薦めできません。エネルギー収支のコントロールは食事で行うのがベストで、そのほうが圧倒的に効率が良いのです。食事でどうしても目標消費カロリーまで減らせなかったり、早く脂肪を減らしたい場合には補助的に有酸素運動を取り入れます。しかし有酸素運動を行うことによってカタボリックが進むことはしっかり理解しておきましょう。

また心肺機能上げるために1時間も2時間も走る必要はありません。心肺機能強化にはタバタ式トレーニングなどのHIIT(高強度インターバルトレーニング)やサーキットトレーニングなど短時間でできるものが時間帯効果が高いです。たった数分で限界を迎えることができカタボリックも長時間の運動より抑えられます。世界最強ニュージーランドのラグビーチーム「オールブラックス」の選手は一定スピードで何十分も走るマラソンのような練習など一度もしたことがないと言います。またメジャーリーガーのダルビッシュ有選手は、日本高校球界の長時間の走りこみを無駄だと言っています。

長時間の走り込みが必要な人は競技などで長時間の走りをする人たちだけです。ダイエットにも基本的に有酸素運動は必要ありません。その分しっかり食事制限でカロリーコントロールしながらエネルギー消費に重要な筋肉をつけることが基本です。ダイエットにも肉体改造にも競技力向上にも長時間の有酸素運動は必要ないのです。しかし有酸素運動にはメリットも多々あることも確かです。誰でも気軽に始められる運動の一つなどで排除する必要はありませんが、ジョギングなどの長時間の有酸素運動万能信仰はやめ、自分の目的にあった正しい有酸素運動を取り入れましょう。

LINEで送る
Pocket

【誤解だらけのタバタ式トレーニング】本当は20秒×8セット計4分ではない?脂肪は減らない?複雑な運動の組み合わせはダメ?正しいタバタで4分の苦痛で最大の効果を

LINEで送る
Pocket

誤解だらけのタバタ式トレーニング

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング
究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

タバタ式トレーニングのはじまり

メディアで紹介され一気に知名度が上がったタバタ式トレーニング。
たった4分でダイエットに効果があると紹介され多くの注目を浴びました。
トレーニングに感心が集まるのはとてもいいことですが、誤った情報も広まりやすくなってしまいます。

せっかくやるトレーニング。
正しい知識、正しいトレーニングで、最大限の効果を狙うことが大切です。

タバタ式トレーニングとはもともと全日本スピードスケートのヘッドコーチだった入澤孝一氏(現高崎健康福祉大学)が考案したトレーニングです。
立命館大学スポーツ健康科学部教授、同学部長の田畑泉氏が、入澤氏が考案したトレーニングの科学的有効性を実証した論文を発表したものがベースとなりタバタ式トレーニング(TABATA PROTOCOL)として広まりました。

火がついた切っ掛けは、アメリカ西海岸の筋トレマニアたちが話題にしたことでした。
次々とトレーニングマニアに広がり、その後アメリカ東海岸の医学部の若い医師たちにまで知れ渡り、遂にはアメリカのフィットネス雑誌で紹介されイギリス・ドイツのヨーロッパやロシア、ブラジルなどにも一気に広がっていきました。
そしてタバタプロトコルとして日本に逆輸入されてきたのです。
ブレークの切っ掛けは海外の筋トレマニアからだったのです。

タバタ式トレーニングとは?

タバタ式トレーニングは「20秒運動 + 10秒休憩」のセットを6〜7セット行う高強度インターバルトレーニング(HIT:High-intensity interval training)・間欠的トレーニング(インターミットトレーニング:NTERMITTENT TRAINING)の一種です。

元スピードスケート金メダリスト、清水宏保氏が現役時代に取り入れていたときは「20秒10秒」と呼んでいたそうです。固定式自転車で行い、横には毛布を敷き、トレーニング直後毛布の上に倒れこみ苦しさのあまりのたのたうち回り、20〜30分は起き上がれないほど追い込んでいたそうです。中には吐いてしまう選手さえいたそうです。

このトレーニングが「タバタプロトコル」として逆輸入で日本に入ってきて「20秒の全力運動と10秒の休憩を8セット、つまり4分のトレーニング」のタバタ式トレーニングとなりました。

さまざまな誤解

タバタ式トレーニングには以下のようないくつか誤解されているところがありますが田畑教授は著書「究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング」で否定しています。

[nopc] [/nopc]
・タバタ式トレーニングで痩せる
タバタ式トレーニングで脂肪が減ったというエビデンスはない。しかし副次的に痩せることはある。

・8セット4分でないと効果が無い?
当初のトレーニング、また論文では6〜7セットで3分から3分30秒でした。それぞれの体力に合わせて6〜8セットで実施してもいいのです。

・何回も連続でタバタ式トレーニングをやれば効果的?
1回のタバタ式トレーニングで疲労困憊になる必要があります。つまり1日に同じ強度で何度もできないのです。それぐらい追い込まないといけないトレーニングであり、それほど追い込めれば1日1回で十分なのです。

・いろんな運動を取り入れるべき
タバタ式トレーニングで取り入れるべき運動・動作はシンプルであり、さらに大きな筋群を使う運動が推奨されています。
例えば自重で行うスクワットやバービージャンプ、マウンテンクライマーなど単純であり、かつお尻や太ももなどの大きな筋肉を使う運動を一種類ないし二種類の組み合わせで行います。腕立て伏せや腹筋では筋肉が小さく高強度の持続する運動には不適格なのです。

・重いウェイトを持って行う
タバタ式トレーニングではいかに心拍数を上げるかが重要になってきます。強度しては400mを全力ダッシュ(およそ50秒程度、最大酸素摂取量170%)の強度になります。重いウェイトを使った筋トレでも息は切れますが、最大酸素摂取量170%、400m全力疾走まで追い込むことはできません。つまり懸垂などもタバタ式トレーニングには不向きです。上記で述べたように単純で、かつ大きな筋群を使った運動がタバタ式トレーニングに必須なのです。

参考:究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

タバタ式に適しているメニュー

シンプルで大きな筋群を使った運動種目はいくつかあります。
その中でもタバタ式のメニューに適しているものをいくつか列挙します。

・スクワットジャンプ
・ラウンジジャンプ
・マウンテンクライマー
・バンビージャンプ
・エアロバイク
・縄跳び

大きな筋群を使う必要があるため、脚を使うメニューが基本になります。
上記でも説明したとおり、多き筋肉を使い心拍数を一気に上げる高強度の運動が必須なため、腕立て伏せや懸垂、腹筋などは不向きです。

タバタ式トレーニングの効能

タバタ式トレーニングを週2回、6週間行うだけで以下の効果があったと田畑教授の論文で発表されています。

・持久力を示す「有酸素性エネルギー(最大酸素摂取量)」が10%上昇
・中距離走の能力を示す「無酸素性エネルギー(酸素借)」が30%上昇
・最大酸素摂取量が上がるため、糖代謝(インスリン感受性)が上がり、糖尿病などの生活習慣病予防になる

4分のタバタ式トレーニングを1日1回、週2回を6週間行った場合と、有酸素運動60分を週5回、6週間行ったときとで同程度の最大酸素摂取量の上昇が認められました。しかし後者は酸素借、つまり無酸素性運度の能力の上昇は認められなかったと報告しています。

タバタの公式動画で正しい知識と動きを知るべし

タバタ式トレーニングを動画で探すと多くの動画が出てきます。
しかし間違ったタバタ式トレーニングの動画も多く出回っています。
特に日本語で「タバタ式トレーニング」と検索する間違いタバタ、低クオリティの動画が圧倒的に増えます。
タバタ式トレーニングは逆輸入なので「tabata」もしくは「tabta protocol」と検索するのと優良動画が多く見つけられます。

いくつかの動画で、タバタ同様、海外で人気が爆発して日本に輸入されてきた「CrossFit」というフィットネストレーニングとごちゃまぜになっている場合がありますが、CrossFitとタバタ式トレーニングは全く違うものです。

まずはタバタ式トレーニングの公式動画で、正しい本物のタバタ式トレーニングを理解しましょう。

次の動画はCrossFitとタバタ式トレーニングが融合したものです。
自分の行っている競技の特性などを組み合わせてオリジナルのタバタ式を作っても面白いでしょう。

正しい知識と動作でタバタ式トレーニングを行えば最大酸素摂取量と酸素借を両方向上させることができ、肉体は飛躍的に強化されます。
心肺持久力と無酸素性運度、そして生活習慣病予防にも効果を発揮するタバタ式トレーニング。

たった4分の苦痛で、最大の効果を!
まずは目の前の20秒で出し切る、そこからすべては始まる。

LINEで送る
Pocket

「ランニングRun」と「ジョギングJog」の違いは?レースの申込書と己の肺に答えあり?

LINEで送る
Pocket

ジョギング&ランニング

ランニングのかがく (図解スポーツサイエンス)
ランニングのかがく (図解スポーツサイエンス)

「歩く」と「走る」の違いは?

早朝や仕事後、週末に趣味で走っている人。
健康のため、ダイエットのため、競技のため、目的は人それぞれです。

では、その「走り」はジョギングなのでしょうか、それともランニングなのでしょうか。
ジョギングはゆっくり、ランニングは速いペースという認識が大部分でしょう。
果たしてジョギングとランニング、そこに明確な違いはあるのでしょうか。

まずは「歩く」と「走る」の動作に明確な違いを知ることがジョギングとランニングを区別するポイントです。
競歩では常にどちらかの脚が地面に接地していないといけないルールがあり、両足が同時に浮いたら失格です。
両足が宙に浮くというと、なにか不思議な光景に思えるかもしれませんが、実は走る動作は両脚が地面から浮いている状態を指すのです。
これはウォーキングでは起きない現象で、たとえゆっくりなジョギングでも両足が宙に浮く瞬間があるのです。
さらに両者には重心の違いもあります。
走る動作は蹴り足が強いので一瞬体が前方に投げ出されるため常に重心は前方にあり、歩く動作はゆっくりで蹴り足が弱く重心はほぼ真ん中です。

消費エネルギーで見ると、走ったときの消費エネルギーは、「体重×距離」で簡易的に算出できます。
体重60kgの人が10km走れば600kcalの消費になります。
一方ウォーキングでは、「(体重×距離)×0.5」なので体重60kgの人が10km歩けば300kcal消費となります。
このように「歩く」と「走る」では脚の接地や重心の位置、消費エネルギーも大きく違います。

ランニングとジョギングの差は、「肺」

ランニングとジョギングの違いはどうでしょうか。
広義の意味ではランニングの中にジョギングが含まれます。
つまりどちらも「走る」という意味です。

runには「走る」に加え、「急ぐ」「駆ける」という意味があり、jogには「ゆるやかな速度」や「ゆっくり」という意味があります。
このようにランニングとジョギングを区別はスピードで分けることができます。
1マイル8分(1km5分)の速いペースがランニングとジョギングの境の目安になっているようですが明確な根拠はありません。

ストライドで区別できるという説もあります。
ランニングはスピードが速いので、ストライドが広がり股関節が動かすのに対し、ジョギングはゆっくり走るため股関節は大きく動かず膝の曲げ伸ばしが主となることが大きな違いです。

また強度を徐々に上げていくとある段階から呼吸が苦しくなり会話ができなくなります。
これを換気閾値(VT:Ventilation Threshold)といい、研究によれば男性は最大運動強度の51%、女性は54%でVTが現れました。
つまり女性のほうが高い運動強度もでも会話ができるということになります。
このVTの境目がジョギングとランニングの違いということもできます。

マラソンの伝道師でもあり哲学者でもある心臓病専門医のジョージ・シーハン(George Sheehan  1918年11月5日 – 1993年11月1日)は著書に、「ランナーとジョガーの違いはレースの申込書にサインするかしないかだ」と言っています。
シーハン博士のランニング人間学 (森林選書)
シーハン博士のランニング人間学 (森林選書)

Running & Being: The Total Experience
Running & Being: The Total Experience

そもそも「jog」とは中世ヨーロッパの「shoggen:揺れ動かす」から派生したと言われています。
そして16世紀頃から徐々に揺れるような早さで歩いたり乗ったりする意味が加わり、19世紀からアメリカで野球選手やボクサーなどアスリートのトレーニングとして定着していきました。

その後、オレゴン大学の陸上コーチ、ビル・バウワーマンがニュージーランドでジョギングを健康のためのフィットネストレーニングとして提唱していたアーサー・リディアードと共に走り、著書『JOGGING』でジョギングの効能を広めました。
社会的ストレスや慢性的な運動不足に悩んでいた都市型生活の人々に受け入れられ、ジョギングはお洒落なアメリカポップカルチャーとして世界に広がっていきました。
Jogging mit Lydiard
Jogging mit Lydiard

リディアードのランニング・バイブル
リディアードのランニング・バイブル

瀬古利彦氏、金哲彦氏を輩出した早稲田大学の競争部。彼らの指導者である中村清氏の原点もリディアードですし、世界のトップトレイルランナーの鏑木毅氏も、彼のヒルトレーニングを取り入れています。 自分の本棚に3冊以上のランニングハウツー本のある方なら、是非本棚に加える価値のある一冊だと思います。
引用:Amazonレビュー

5kmの雪上を素足で走るベアフット・ランニングという競技で24分6秒という記録を持つショーン・ガヴァーがランニングとジョギングの違いに言及しています。

「楽しいならジョギング。苦しいならランニング。その答えは自分の肺に聞いてみな」

まとめ

自分が快適に走れるスピードがジョギング、少し苦しくなるところからランニングが始まるという主観が、ジョギングとランニングを区別する大きな差なのかもしれません。

参考図書:ランニングのかがく (図解スポーツサイエンス)

[nopc] [/nopc]
LINEで送る
Pocket