筋トレの王様 ベンチプレス
トレーニングマガジン vol.45 特集:華麗なるベンチプレス (B・B MOOK 1313)
たった1%だけが超えられる100kgの壁?
ベンチプレス100kg挙げられる人数は人口の1%、つまり120万人と言われることがあります。
ベンチプレスやスクワット、デッドリフト(BIG3)の3種目のMAX合計を競うパワーリフティングの競技者が2万人であり、人口の0.017%です。ベンチプレスに特化したベンチプレッサーがいるので若干数字は増えるでしょうが、万単位では増えないので数字はこのままにしておきます。
ベンチプレス100kg挙げる人が1%、120万人が本当であれば、パワーリフティング回全選手が100kg上げたとしても、残り118万人が100kg挙げないといけないわけです。
フィットネス先進国とい言われているアメリカのフィットネス人口は17・3%、イギリスは13.7%、日本はわずか3.3%です。
日本のフィットネス人口が3.3%だとおよそ360万人のフィットネス会員がおり、日本の1%である120万人、つまりジムにいる3人に1人がベンチプレス100kgを挙げられる計算になってしまいます。
会員構成比では男43%、女56%でさらに60歳以上の会員が約30%ともっとも高くなっています。20代は28%、30代は14%となっています(H17〜H22)。
この数字をどう見るか。男性のみなら会員は154万人。60歳以降でも100kg挙げる人はいますが、60代を除くと46万人。この人数がすべてベンチプレス100kg挙げられるとしても、人口1%にはまだまだ届かず、現実のそれとは全くそぐわなくなってしまいます。
ではフィットネスではなく運動実施者が挙げられる可能性はどうでしょうか。強豪校なら高校や大学でかなり筋トレをやっているはずです。
以下がそれぞれの競技人口です。
サッカー21万人(0.18%) ラグビー人口11万人(0.09%) 柔道・バスケ16万人(0.133%) ラクロス2万人(0.017%) アメフト1万8千人(0.015%) レスリング1万人(0.0083%) ゴールドジム直営店会員数7万人(0.059%) ウェイトリフティング4000人(0.004%) ボディビルダー3500人(0.003%)
サッカー競技人口が21万人の0.2%未満です。
筋トレ愛好家が集う本格的なフィットネスジムであるゴールドジムの直営店の会員数は7万人。
パワーリフター、男性(60歳未満)フィットネス会員、上記競技者など全て足しても120万人、人口の1%にははるか及びません。
ここまで見てきてはたして日本人の1%、120万人もの人がベンチプレス100kgを挙げられるのか疑問です。
フィットネスジムでフリーウェイトがあるところさえ珍しいなか、べンチプレスの経験者自体実は1%もいないのではないでしょうか。
そう考えると日本人の1%がベンチプレス100kg挙げるのはありえない数字に思えてきます。
1%ではなく0.1%の12万人が100kg挙げるという実際に近い数字という雑感です。
初心者のBIG3スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの開始時の平均と成長率
パワーリフティングのチャンピオンを何人も育て上げた吉田進氏(1970年代からパワーリフティング全日本選手権で活躍、優勝5回)曰く、スポーツ歴がない素人のトレーニング開始時のMAX平均は以下の通りと述べています。
・スクワット 60kg ・ベンチプレス 40kg ・デッドリフト 80kg
初心者が3年間トレーニングをすれば以下のようになるとも述べています。
・スクワット 120kg ・ベンチプレス 80kg ・デッドリフト 160kg
全てにおいてMAXが倍近く伸びています。
「5年でMAX100kg挙がればまぁ合格」と吉田氏は言います。
成人男性の平均ベンチプレスはおよそ40kgと言われ、成人男性の平均体重は約65kgなので、自重の7割程度です。
163cm、47kgのフィギュアスケート浅田真央選手がベンチプレス47kgを挙げることがいかに凄いかよくわかります。
ベンチプレス早見表
下記はベンチプレス挙上量とそれがどの程度のレベルなのか、また芸能人やスポーツ選手がどれくらい挙げるのかがわかる表です。
自分の現在地、また目標地点を確認し、それがどの程度のレベルで、どんな著名人がいるのか目標にしてみると楽しいでしょう。
40kg | 成人男性の平均 | 浅田真央(47kg) |
50kg | 平均よりは上だが、スポーツ未経験者でも挙げられるレベル | はんにゃ金田・千原ジュニア・カンニング竹山(50kg) ロンブー淳・亮(55kg) |
60kg | ちょっと力持ち? | ザキヤマ(60kg) 有吉弘行・ブラマヨ小杉(65kg) |
70kg | 世間一般では力持ちの部類 | |
80kg | 世間ではかなり力持ちだが、練習すれば非鍛錬者である平均的な成人一般男性なら数ヶ月で挙げられる | |
90kg | 筋トレ初心者卒業。世間では怪力モンスター扱い。フィジカル競技(ラグビー、アメフト、柔道等)では普通より下 | 小島よしお(95kg) オードリ春日 松本人志 |
100kg | ここからやっと中級者レベル。体育会系でも本格的に筋トレに励んでいないと挙げられない。筋トレを真面目にやっているかの基準点 | 草野仁・長渕剛(100kg) レイザーラモンHG(105kg) 魔娑斗(100kg×5回) |
110kg | 一般的には超力持ちレベル。体育会系でも挙げられる人はほとんどいない | 武田真治・清原和博・松井秀喜・ダルビッシュ有(110kg) 中田翔(117kg) |
120kg | このへんから体格によっては限界が見えてくる。ジムで鍛えてないと挙げるのはかなり難しい | なかやまきんにくん |
130kg | ジムで鍛えないと無理と断言してもいいレベル。スポーツだけでは無理 | 金子賢 松本人志(スミスマシン) |
140kg | ゴールドジムに通ってる人でもこれを挙げられる人は多くはない | |
150kg | このへんから才能が必要になってくる | 篠原信一・金本知憲(150kg) 金本知憲(150kg) ケイン・コスギ(155kg) パッション屋良(160kg) テレンス・リー(165kg) 室伏広治・井上康生(170kg) |
200kg | 日本人で挙げられたら雑誌に取り上げられる | 貴乃花・朝青龍・佐々木健介・アントニオ猪木、長州力(200kg) アーノルド・シュワルツェネッガー(225kg) 三土手大介(353.5kg)ボブ・サップ(220kg×4回) |
トレーニング初心者のベンチプレスの平均値
下記の表は年齢別トレーニング初心者のベンチプレス平均値と3ヶ月トレーニングしてどのくらい挙上がアップしたかを表したものです。
トレーニング開始前の平均値 | 3ヶ月後の平均値 | アップした重量の平均値 | |
15〜20歳 | 50.00kg
(±1.680kg) | 60.83kg
(±2.53) | 10.83kg |
21〜25歳 | 46.66kg
(±0.935kg) | 59.33kg(±1.169) | 12.67kg |
26〜30歳 | 46.82kg
(±2.937kg) | 52.73kg
(±2.153) | 5.91kg |
31歳以上 | 45.33kg
(±3.507kg) | 52.50kg
(±2.080) | 7.17kg |
出典:トレーニング初心者のベンチプレスの平均値
※被験者は43人で多くの人を調査したというわけではありません。年齢と人数の内訳は、17歳2人・18歳5人・19歳4人・20歳4人・21歳2人・22歳1人・23歳1人・24歳1人・25歳4人・26歳3人・27歳3人・28歳3人・29歳1人・30歳1人・32歳1人・33歳3人・34歳1人・36歳1人・48歳1人・52歳1人
無用なストレスを避け自分だけのベンチプレスタイム
ベンチプレス 基礎から実践―ベンチプレスが誰よりも強くなる〈vol.1〉 (ベンチプレスが誰よりも強くなる! vol. 1)
筋トレの中でも軍を抜いて人気があるベンチプレス。
どこのスポーツクラブに行ってもベンチプレスはいつも順番待ち。
ベンチプレスに限った話ではなく開店同時にフリーウェイト場の争奪も珍しくありません。
メンバーもお馴染みの固定メンバーでジムの古株ばかりで、そこに割って入るのは至難の業です。
せっかく体を鍛えに行ってるのに余計なストレスを感じることはよくあることです。
交互に行っても、その都度煩わしい重量の変え直しやセット間のレストもバラバラ。
ベンチプレス100kgでセットを組む人と60kgの人が行えば、ウェイトを付け直す変えだけで地獄です。
ストレスフリーを望むのならば、ベンチプレスを自宅に購入しホームトレーニングを検討するのも一つの手段です。
好きな時に好きなだけベンチプレスができ、当然それ以外のトレーニングもさまざま行えるので費用対効果の高いトレーニング器具です。
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