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【常識を疑え!】筋肥大=「高負荷×低回数」という定説が覆された?「低負荷×高回数」でも筋肥大が

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「低負荷×高回数」vs「高負荷×低回数」

Tarzan (ターザン) 2014年 12月11日号 No.662
Tarzan (ターザン) 2014年 12月11日号 No.662

「筋肥大」、今までの定説は「高重量×低回数」

筋トレの効能はダイエットや健康増進、競技力向上でなく、本来は筋肥大です。

筋肥大を狙ったトレーニングをする場合、今までは、1RM(Repetition Maximum:1回しか挙げられない重さ)の75〜80%の重量(8〜10回挙がる重さ)でのトレーニングが定説でした。

70kgを1回だけ挙げられる場合(70kg=1RM)は、52.5〜56kgが1RMの75〜80%の重さとなります。
何十回も挙げられる重量(1RM30%=25〜30回)では筋持久力の向上のトレーニングとなり、筋肥大には適さないというのが一般的でした。

サイズの原理とmTOR

筋肉は、力は弱いが持久力のある「遅筋線維(タイプ1)」と、素早く収縮して強い力を出せる「速筋線維(タイプ2)」があります。
筋肉は最初は弱い筋肉(遅筋線維)から使われ、負荷が強くなるにつれ遅筋だけでは持ちこたえられず、強い筋肉(速筋線維)が使われるという「サイズの原理」があります。
1960年代にヘンネマンが提唱した原理です。

筋肥大を起こすのは大きな力を発揮する速筋で、速筋を多く動員するためには高重量で筋トレをする必要があると言われていました。
しかし低負荷でも回数を重ねていくうちに遅筋だけでは挙げることができなくなり速筋も動員されます。
つまり低負荷でも回数を増やせば速筋が次々と動員され、筋肥大を狙うことができるというわけです。

筋肥大がおこる原理は、細胞内の筋肥大を促進するシグナル、mTOR(エムトール:mammalian target of rapamycin:哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)が活性化されるためです。
このmTORは低負荷の筋トレでも一定以上行えば高負荷の筋トレのときと同程度にmTORが活性化されることがわかったと日本体育大学中里浩一教授が発表しました。

高負荷vs低負荷

では、高負荷と低負荷のトレーニングでは同じトレーニング効果があるのでしょうか?

どちらもやり方によっては筋肥大が起こることがわかってきていますが、それぞれに一長一短があります。

高負荷低負荷
メリット・短時間で筋肥大を
狙える

・爆発力を養える

・追い込まなくても
効果あり

・軽い負荷で筋肥大を狙える

・持久力を養える

・初心者、高齢者に最適

・自宅でも簡単にできる

デメリット・関節に大きな負荷がかかり
怪我のリスクあり

・初心者には不向き

・自宅では難しい

・かなり追い込まないと筋肥大の効果なし

・トレーニング時間が長くなる

▼高負荷
高負荷では神経系も鍛えることができるため力を爆発的に発揮する能力を鍛えられ、また必要以上に追い込みをしなくても高負荷では有効な筋肥大効果が期待できます。
ボディビルダーやトップアスリートは日々筋トレや競技トレーニングをするため、必要以上の筋肉痛や筋疲労を起こさせぬように極度の追い込みをしないこともあります。

一方、高負荷トレーニングは関節に大きな負担をかけるため、熟練者でも関節や筋を痛める怪我のリスクがあります。

正しいフォームではない初心者や初級者のトレーニー、リハビリ中の人にとって高重量を扱うのは怪我のリスクが高くなることもあるので注意が必要です。

▼低負荷
低負荷では高回数で焼けるような激しい痛みを表すバーンするまで行うので筋持久力向上に効果的です。
関節にかかる負担も少なく怪我のリスクが高負荷に比べ少なく、初心者やリハビリ者、高齢者などに適しています。

デメリットとしては、筋肥大を狙う場合、限界まで追い込みをしなければなりません。
負荷が軽いため動員される筋肉は最初は遅筋なので、遅筋で追い込んで先に速筋が動員されはじめ筋肥大の刺激を促すので、時間も労力も大幅に使うことになります。

1RM30%で25〜28回程度で行います。セット間は30〜90秒の休憩で限界まで行います。
2セット目は15回、3セット目は5回のようにセット毎で回数が減ってきても余力を残さず、限界を目指しバーンを乗り越えなければならないハードなトレーニングです。
低負荷×高回数はまさにバーンの苦痛との戦いになります。

高負荷と低負荷、違う刺激を両方取り入れ、肉体改造をさらにスピードアップ

高負荷と低負荷のメリット、デメリットを理解し両方をうまく取りいれることで効果的に筋肥大を狙えます。

アスリートの場合シーズン中、筋トレに多くの時間が割けないときは高負荷で短時間で筋肥大を狙い疲れを残さないようにすれば、シーズン中によく見受けられる筋力が落ちてしまうことも防げます。また高負荷と低負荷で刺激を変えることは筋トレにも有効なので計画の立て方も大切です。

高負荷トレーニングを苦手としがちな女性やトレーニング初心者、高齢者、また日頃とは違う刺激がほしいトレーニー、自宅で筋トレをしたいと思っている人にも「低負荷×高回数」は安全に一人で行うのに適しています。

「重い重量でしか筋肥大しない」というのは過去の定説となりました。
低負荷でも追い込めば筋肥大するのです。
しかし勘違いしてはいけないのは、低負荷だからといって楽なわけでは決してありません。

また高負荷は速筋をより効率的に鍛えられ、神経系も鍛えられので、実際の動作や競技力向上の補助としても有効です。
それぞれの長所短所を見極めて、上手にトレーニングサイクルを作りましょう。

トレーニングの定説は常に変わることを念頭に、いつでもアンテナを張って知識をアップデートしていましょう。

参考図書:Tarzan (ターザン) 2014年 12月11日号 No.662

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