【警察・消防・自衛隊・海上保安庁】人命救助のスペシャリスト その登竜門である公務員試験の体力試験とは

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過酷な人命救助を支える肉体

われら消防レスキュー隊 最新版 (Jレスキュー特別編集)
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人命救助には肉体よりまず学力

犯罪、災害、火災、遭難、難破。人命の危機があるとき、そこには人命救助のスペシャリストたちがいます。警察や消防、自衛隊、海上保安庁など平和や人命を守るために日夜活動しています。

日々過酷な訓練を行い、困難な現場で活動している彼らも当然最初は新人でした。その新人になるためにまず公務員試験を突破する必要がります。自衛隊や海上保安庁など国の管轄する組織は国家公務員。自治体の管轄である警察や消防は地方公務員となります。警察は都道府県ごとに、消防は市町村ごとに組織されていす。地方公務員では自治体ごとに試験内容が変わりますが、ほとんどの場合一次試験は筆記試験、2次試験に体力試験や面接があります。この他にも論文や適性検査などが自治体によって行われます。

地方公務員の場合。一次試験は一般知識と一般知能の教養試験です。一般知識は英語、数学、国語(現代文、古文、漢文)、社会(日本史、世界史、地理)、理科(科学、生物、化学)、政治経済、文学芸術、倫理。一般知能は文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈で構成されておりまさに全教科が出題されます。これが公務員試験の難しい部分であり、あまりに広い範囲のためいかに効率よく学習するかが大切になります。しかし効率よく学習しても膨大な量のため公務員試験合格は難関を極め、1,2年で合格する人もいますが、何年も受け続け最後に年齢制限で引っかかってしまう人も少なくありません。

難関筆記試験突破後にある体力試験

2次試験で行われる体力試験。さぞかし厳しいテストがあると多くの受験生は思っています。勉強とトレーニングをいかに両立させるかで四苦八苦している人も多くいます。しかし体力試験の比重はそんなに高くありません。正式には体力試験ではなく身体・体力検査となっている自治体がほとんどです。試験ではなく採用後の訓練を行える体を有しているかの確認です。自治体によっても違いはあるものの内容は主に以下のとおりです。

「腕立て伏せ」
「握力」
「上体起こし」
「持久走」
「懸垂」
「20mシャトルラン」
「反復横跳び」
等

一体どれだけできればいいのか受験者は不安になりますが、体育会系でなくても普通の体力があれば全く問題ありません。文部科学省新体力測定でB判定が取れる体力があれば全く問題ありません。たとえ懸垂が100回できたとしても持久走が基準より低ければ不合格となるでしょう。ぎりぎり一次突破はできたものの筆記試験の手応えがなく体力検査で挽回したいと思う受験生もいるかもしれませんが、体力検査の目的は体力の凄い人を見つけ出すためのものではなく、体に不自由がないかを確認する目的の意味合いが強いのです。採用後に待っている過酷な訓練に耐えられる下地があるかを見ているのです。

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なぜ強靭な肉体を必要とする職なのに体力検査の基準が緩いのでしょうか。その理由は簡単です。教育期間で徹底的に鍛え上げるからです。体力的についていけねければ脱落で内定取り消しとなる場合も自治体によってはあります。自衛隊に限って言えば体力検査自体ありません。深刻な人員不足のため採用段階で体力がないという理由で足切りはしないようです。入隊後に死ぬほど鍛えればいいので採用段階では特段体力がなくてもいいということでしょう。

入校後、寮生活で地獄の訓練

合格後、教育生として半年から1年程の寮生活が始まります。この段階では仮採用のところがほとんどです。徹底的な集団行動と規律を叩きこまれ技術・知識の習得と体力錬成が行われます。

一つのミスには連帯で責任を取らされます。自分一人のミスで済めばまだいいものの集団も同じ責任を負わされ罰を受けます。実際の現場では必ず集団行動が徹底され一人のミスが人命救助の失敗や部隊の全滅につながることもあるため、ミスや規律違反は絶対に許されません。

警察や消防、自衛隊など装備品はかなり重く訓練では20kg程度の重さを担いで活動する訓練がよく行われます。さらにその状態で人を背負ったりし夏場の灼熱地獄はまさに生き地獄と化します。終わることない走りこみ、終わることない腕立て伏せ、終わることないスクワット、終わることないロープワーク。新人はこの過酷な状況でも任務遂行できる技術を反復して体得するのです。

夜通しで20kg以上ある荷物を背負い何十kmも歩き続ける耐久訓練も警察、消防、自衛隊にあります。道中さまざまな課題があり疲労と眠気のぎりぎりの状態で課題をこなしていきます。もうこれほど辛いことはこの世にはないと教育生は感じるでしょう。

このような教育訓練が行われが警察学校や消防学校を卒業すれば現場に正式に配属されます。理不尽なまでの地獄が終わったと教育生らは安堵します。しかし彼らはまだ知りません。救助隊や特救隊など人命救助のスペシャリストになるには厳しい選抜試験をパスし、さらなる地獄の訓練が待ち受けていることを。さらなる困難な状況で極限まで酷使された肉体で高度な技術を駆使し人命救助の訓練を行います。そして強靭な精神力をつけるための訓練で息も絶え絶えになるのです。あの耐えられないと思った教育学校時代が愛おしくさえ思えてくるのです。このようにして人命救助のスペシャリストは養成されていきます。

体力はあって当たり前

人命救助を仕事とする人は強靭な肉体を持っていて当たり前です。現場活動の合間に事務仕事を行います。時間を作ってさまざまな訓練もします。そして少しの時間を見つけベンチプレスやスクワット、懸垂もガシガシやります。持久走も行います。ロープも登り、渡ります。体力検査はこのような肉体的な厳しさに耐えれるかを判断するものであり、秀でた才能を見つけ出すものではないのです。そして理不尽と感じてしまうくらい膨大な範囲の勉強をし突破しなければ体力検査さえ受けられません。まずはひたすら勉強できる体力と精神力が人命救助のスペシャリストになるための第一歩となるのです。

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