中年太りの原因は「筋肉減少による基礎代謝量低下」というけれどそれホント?痩せても基礎代謝量は減る事実 太れば基礎代謝量が増える真実

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肥満は増えている?減っている?

加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか
加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか

テレビや雑誌などさまざまな媒体で中年太りの特集が多く組まれています。それほど肥満は現代日本においては切実な問題です。WHOによると日本では男性28.9%、女性15.9%の肥満率で、今や国民の5人に1人が肥満となっています。男性の肥満は加齢とともに増加傾向で、女性は20~29歳で痩せすぎが23.4%と一番多く、年齢が高くなるにつれ痩せ過ぎは減っていきます。

男性の肥満者の割合は 28.6%であり、平成 15 年からみると 22 年まで増加傾向であり、平成 23 年からは変化が見られなかった。女性の肥満者の割合は 20.3%であり、10 年間で減少傾向 にある。男性のやせの者の割合は 4.7%であり、10 年間で変化が見られなかった。女性のやせ の者の割合は 12.3%であり、10 年間で増加傾向にある。低栄養傾向の高齢者の割合は 16.8% であり、年齢階級別にみると、85 歳以上で最も高い。

平成 25年 国民健康・栄養調査結果の概要
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平成 25年 国民健康・栄養調査結果の概要

しかし世界的に見れば日本の肥満率はとても低いことが以下の表から見て取れます。
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第19回 日本人の肥満率は「22.4%」 豊かな国に住むほど太る? | 日本生命保険相互会社

それでも日本の食が欧米化し、男性に限って言えば全世代で肥満率が上昇しています。

中年太りの原因の第1位は基礎代謝量の低下?

人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書)
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中年太りの最たる原因は基礎代謝量の低下。
そんな文言で溢れかえっていますが、それは果たして本当でしょうか。

筋肉量が年齢とともに減少するため、それにともなって基礎代謝量が減ると言われています。
それは事実で筋肉1kgでおよそ13kcal/日のエネルギー消費をします。
つまり年々筋肉量が減ると基礎代謝量も減ってしまい、それゆえ体重が増加し太ってしまうという理屈となっているわけです。

20代よりも10kgも太ったという男性も少なくないでしょう。
「筋肉が落ちて基礎代謝量が落ちたからだよ」なんて言われてしまうかもしれません。
しかし実は太っても基礎代謝量は増えるのです。
脂肪1kgで消費するエネルギーは5kcal/日です。
つまり10kg増えれば50kcal/日増となります。

基礎代謝量の求め方に

体重 × 22

という計算式があり、体重と基礎代謝量が比例しているのが一目瞭然です。

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一般的に成人の体重のおおよそ40%が筋肉と言われています。
そして40歳から0.5%ずつ筋肉が減っていき、50歳から70歳の10年間では15%ずつもの筋肉が減少し、80歳までには30〜40%もの筋肉が減少してしまいます。
参照:健康長寿ネット
体重60kgの人は平均で24kgの筋肉があり、何も対策をおらなければ40歳から0.5%、つまり年120gずつ筋肉が減っていくことになります。
ということは年1kgも筋肉は減らないのです。
そうなると筋肉で見た基礎代謝量は年1kcalも減らないのです。
むしろ年1kg太ることは珍しくなく、脂肪1kg増量で5kcal/日の消費エネルギーが増えることになります。

1日の全エネルギー消費のうち60%を占める基礎代謝、その基礎代謝のうち40%が筋肉からです。
つまり基礎代謝量の低下は筋肉以外の心臓や脳などの臓器の衰え(縮小や機能低下)のところによる部分も多いのです。

これらのことから、中年太りは筋肉量の減少からくる基礎代謝量の低下ではほぼないことがわかります。
しかし中年太りの原因に、筋肉量減少、基礎代謝量低下は関係あります。
筋肉減少と基礎代謝量低下の因果関係が間違っているだけです。
筋肉が減ると実質代謝が減ります。
実質代謝とは、日常での行動で消費するエネルギーのことです。
歩いたり立ったり座ったりしゃがんだり、移動したり仕事したり日常の動作全般で消費するエネルギーです。
筋肉量の低下でこの日常で消費する実質代謝が減り、1日のエネルギー消費が減ってしまうのです。

エスカレーター、エレベーター、電動自転車など移動に要する労力はどんどん減ってきています。
さらに家庭でも、全自動洗濯機、自動掃除機、食洗機など家事の負担も減り、体を使う機会が良くも悪くも減ってきています。
ただでさえ体を使う機会が日常的に減ってしまっている中、筋肉量減少のため活動量が減ってしまうとどうなるか容易に想像がつくでしょう。

基礎代謝量の低下は筋肉量に低下のせいではなく、除脂肪量の低下によるもので、筋肉の減少はもちろんのこと、臓器の機能不全による基礎代謝量減少によるものです。
筋トレをして基礎代謝量を増やし中年太りを解消しようというのは間違いで、筋トレをして動ける体を手に入れて活動量を増やし実質代謝を増やしましょうと言うのが正解です。

これはダイエット全般に言えることです。
基礎代謝量の差は男女でも、もっとも高い10代ともっとも低い70歳以上でも300から500kcalほどしか違いがありません。
筋肉が半減してしまってもこの程度です。もちろん1日でこの差の積み重ねは非常に大きですが、ここで確認すべきは筋肉によって基礎代謝量は大きく変化しないということです。

まとめ

要点を整理すると

・中年太りの最たる原因は筋肉量減少による基礎代謝量の低下と言われている
・40歳からどんどん筋肉が減少するが、100g程度の減少しかなく筋肉だけで見た基礎代謝量は1kcal程度しか1年間で減らない。
・脂肪も5kcal/日のエネルギー消費があり、太っても基礎代謝量は増える
・基礎代謝量は体重に比例する
・筋肉減少で減るのは基礎代謝量より実質代謝

中年太りの原因は加齢による筋肉量の減少で実質代謝(身体活動量)が減ること、加齢とともに筋肉量と臓器の機能低下が合わさり基礎代謝量が年々低下するためです。
またこれに加え暴飲暴食や乱れた生活リズムなども大きく関係してきます。

中年太りは筋肉減少による基礎代謝量低下が最たる原因でないのです。
中年太りの解消にはまずは生活スタイルの見直し、暴飲暴食をせず、適度な運動を適度な間隔で行うことです。
また老化が進んでも臓器などの機能低下と違い筋肉だけは退化させずに成長させることができます。
90歳の人に脚の筋トレを行い、数週間後に筋肉量を測定すると大腿四頭筋の筋肉が筋トレ前より30%もの増加が認められた事例もあります。

筋トレをすることで健康を増進できることは間違いありません。
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