【肩前方脱臼・肩甲骨関節窩骨折】初の全身麻酔手術を体験したので整復方法、入院、手術、費用、リハビリなどを備忘録的に

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肩脱臼

肩関節外科 手術テクニック: 写真・WEB動画で理解が深まる (整形外科SURGICAL TECHNIQUE BOOKS)

肩関節外科 手術テクニック: 写真・WEB動画で理解が深まる (整形外科SURGICAL TECHNIQUE BOOKS)

スポーツ外傷

スポーツをしていれば誰でも怪我のリスクはあります。
好き好んで怪我をする人はおらず、またどんなに怪我予防に努めても怪我をするときはしてしまいます。

ここでは筆者が昨年した肩骨折脱臼の手術についてどのような状態で、どんな処置をし、どのような経過を辿ったか備忘録的に箇条書き形式で書き記します。
手術は様々な不安や恐怖との闘いであり、不安や恐怖、痛み、出費などとてもストレスフルことが多く発生します。

どのような経過を辿るか、少しでも知っていれば解消される不安もあるかもしれません。
誰かのお役に立てればと思います。

怪我したときの状況、処置

怪我をしたスポーツ:ラグビー
状況:相手に抜かれ際、足首に手をかけようとしたが腕が相手の腰付近に当たってしまい腕を後方に持っていかれ骨折脱臼
処置:・チームメディカルと現場にいたドクターが脱臼した腕を応急処置的に入れようとしたが、寒さで硬くなっていたのと一般人より肥大した筋肉のためで硬くて入らず整復断念
・脱臼した直後は痛みより痺れが酷く、痺れが収まれば大丈夫と思い救急車は断り歩いて病院へ行こうと試みたが、強烈な痛みへと変わり断念、チームメイトの車で近くの病院の救急外来へ
・若い女医で、おばあちゃんの脱臼しか整復したことがないということで、おばちゃん看護師と四苦八苦
・まずは痛み止めを注射し(注射嫌いのため過度にビビったが、脱臼の痛みで注射の痛みは皆無)、ベッドに寝て重りを持って腕を垂らすStimson法(スティムソン)を行うも整復できず(重りを手で持って握力がきつかったが、後々手法を確認したら多くの場合、重りは手にかけていた。なぜ持たせた…)
・レントゲン室でレントゲン画像を確認しながらゼロポジション挙上法で女医と看護師の二人がかりでやっと整復成功、痛みだいぶ軽減
・女医の見立てでは骨折はしていないだろうから手術はたぶん必要ないとのことだったが…
・帯同してもらったチームメディカルの人は骨折している可能性が否定できないから総合病院で診てもらうべきと
・自宅近くの総合病院への紹介状を書いてもらい転院

費用トータル14,000円

総合病院にて

・週末明け外来受診。レントゲン撮影で骨折と診断される。手術不可避だろうけど、別の曜日に肩の専門医がいるから診てもらって治療方針を決めてもらってとのこと(最初の病院では骨折の疑いは低く手術の可能性は低いと言われていたので膝から崩れ落ちる。)
・一週間後、肩専門医の診察へ。
・レントゲンで見る限りは日常生活レベルなら手術なしでも大丈夫かもしれないが、詳しくはCT撮影で診断するとのこと
・肩甲骨関節窩下の骨折が大きく、関節窩下の骨折は脱臼骨折の数%程度と珍しく、思っているより重傷で手術以外の選択肢はないと告げられる…
・年末年始ということもあり手術予定が埋まっていたが、偶然1日だけ手術キャンセルで空いていたドクターの日程に手術を決行することに
・急遽1週間後に手術決定したため、肩専門医の初診日に全身麻酔の手術のため検査を行うことに
・手術は直視下法(メスで切開する手術)でないと、深くて届かないだろうから内視鏡は難しいだろうと

全身麻酔のための検査は以下の通り

・尿検査
・血液検査(6本)
・呼吸器検査(肺活量)
・心電図
・麻酔科での説明&口腔検査(全身麻酔時にタンが多く出て支障が出るための禁煙と、気管挿入時に口腔内の菌が肺に入らないための口内清潔の指示。場合によっては歯科的治療も。非喫煙者で大きな虫歯もなく問題なし)
・義肢装具採寸
※血液検査で血栓の疑いありということで、下肢エコー検査(骨折時に血栓の数値が高くなることがあるとのこと。一応検査も血栓なし)

・朝9時に受診し、検査含め全て終わったのが18時過ぎで疲労困憊、初入院&全身麻酔手術の恐怖と今後の生活不安とで精神状態ボロボロ
・手術や麻酔の同意書は結構恐ろしい(もしものリスク説明で、術後の痺れや出血多量による輸血、麻酔での肺炎等)

診察&全検査、費用トータル8,000円。

入院に向け、健康保険組合に「限度額適用認定証」を申請。医療費が高額になりそうなときに所得により自己負担限度額が決まる制度。

医療費が高額になりそうなとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

入院から手術

・手術を待つという生きた心地がしない1週間、布の三角巾での腕吊りは肩、首の負担が強かったのでAmazonでメッシュのアームホルダーを購入
UY アームホルダー 首が痛くなりにくい 腕つり サポーター 腕 肩 骨折 固定 腕つり用 三角巾 (ブラック)
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・蒸れ、締め付け、食い込み等が鶏眼され一気に首、肩周りが楽になる

入院当日

・手術日前日に入院
・術後につける固定具を引き取りに行く(Global SlingGlobal Sling Ⅳ)
・入院手続きを済ませ、整形外科入院病棟へ
・想像していたより遥かに綺麗でラウンジも併設されており、ちょっとしたホテルみたいでそれだけで少し気が紛れた
・施設説明と行動予定説明、体温・血圧チェック
・日頃血圧高くないが、入院してからの測定では上は150以上、下も90超えの高血圧状態。病院で高血圧になる人も少なくないとのこと。(ビビりすぎのため…)
・担当医(執刀医)が来て、手術方法についての説明
当初は、大きく切開する直視下法とのことだったかが、以前一件だけ同じような症例で内視鏡の関節鏡視下バンカート法(スーチャーアンカー法)を行ったことがあるから、内視鏡をチャレンジしてもいいかもしれないとのこと。
メリットは、内視鏡で成功すれば傷口も小さく侵襲(生体を傷つけること)が少なく、余計な骨や筋肉を切らずにすむため回復も早いとのこと
デメリットは、内視鏡では無理だった場合、内視鏡手術のための横向き体位を、切開のために仰向け体位に変えなければならず、それに時間を要するため手術時間も1時間程度伸び負担が大きくなるとのこと。
大きな切開のうえ、骨(肩甲骨烏口突起)と上腕二頭筋の起始部付近の切断が必要で回復に時間がかかり、肘から先も固定が必要になるとのこと。
ただデメリットを考慮しても内視鏡にチャレンジしたほうがいいとの見解。内視鏡でチャレンジして無理そうなら粘らずにすぐに開いて負担は最小限にするとのこと。

術方式

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・夕方21時以降絶食、24時から禁飲食
・就寝前に下剤を服用する(術中に漏らさないため。朝出なかったら浣腸をすると説明を受け、是が非でも出すと強く決意)
・夕方から手術の恐怖からか熱が出始める。夕食前36.9°→20時頃37.2°→就寝前37.9°→0時38.2°
(アイス枕で対処。38°超えていたら手術は厳しいかもしれないとのこと。しかしドクターの判断に寄るところが大きいとも。交通事故など緊急手術が行われる場合は熱など関係ないかららしい。しかし風邪の症状で喉が腫れた場合は全身麻酔中の気管挿入が厳しくなるから、手術延期の可能性もあると。そうなると年明けに持ち越し、さらにオペ室が混み合っているためだいぶ先になると…。もしくは入院をし臨時のオペ室空きを待ち緊急手術的に行う方法もあるとのこと。
恐怖に耐え忍びながら年をこすのはなんとしても避けたかったので、なんとか手術して下さいと懇願。ドクターもよっぽど厳しくない限りやりましょうと。「ただ麻酔科がうるさいからなぁ」、とぼやいていた)

手術当日

・翌朝(手術当日)6時起床のなか、助手らしきドクターが唐突に来て眠気眼のうちにちょこちょこっと説明され、いきなり点滴用のライン確保
(前日の看護師からの説明では24時から禁飲のため翌日昼前後から点滴で水分補給をするとのことだったはずなのに)
・前腕の外側に太めの針をグイグイと入れられかなりの痛み、点滴はせずライン確保だけ
・ライン確保した腕の痛みがしばらく酷かったが、看護師から少し様子を見てくれとのことで、だんだんと慣れてきた
・手術は午後からで順番次第なので時間は未定とのこと
・ラインに水分補給用の点滴が繋がれると同時に大部屋で昼食配膳が始まり、禁食なのでラウンジへ避難
・初めての点滴で、点滴スタンドを引っ張りながらの移動やトイレは少し引っかかったときの痛みやその恐怖で慣れるまで本当に大変だった
・看護師から13時過ぎくらいには手術ができそうと言われるが、その後すぐ30分早まりそうだから準備しましょうということでベッドに戻るが、結局14時30分まで呼ばれることがなく、ベッドの上でただただ震えて待つ
・14時過ぎから手術準備、手術着に着替え、血栓防止用のソックスを装着、紙おむつを履く
・歩いて手術室が集まる大手術室へ
・名前、生年月日を伝え、手術中と表示されている手術室をいくつか通り過ぎ奥の方にある手術室へ
・手術室へ入ると、数名のドクターと看護師が準備をしながら待機していた。そのまま思っていたより遥かに小さい手術台の上に乗り、担当ドクター登場。まるでドラマ
・麻酔用のマスクを装着される
・麻酔科のドクターがすぐに眠くなりますからねと優しい声で…、落ちる
・「○◯さん、聞こえますか?」との呼びかけで目覚める。腕には立派な固定具が装着済み。「内視鏡で無事終わりました」、「どこか痛いとこありますか?」との質問に、「尿道が痛い」と返答、手術室に笑い声が。尿カテーテルという管が挿入されていたための痛み
・意識がはっきりしているからICUに移動したら尿カテーテルはすぐ抜いていいと
・ベッドのままSICU(外科系集中治療室:Surgical Intensive Care Unit)へ移動、肩から手先まで強烈に痺れており、痛みというより凄い重い鉛がぶら下がっている感覚
・手術室にいた時間は4時間、手術自体は2時間程
・意識はとてもクリア、喉の違和感・乾き、尿カテの痛み、右肩感覚なし、右手の親指、人差し指、中指に全く感覚がなく動かない。首付近にしたブロック注射のため
・翌朝までSICU、水は23時以降、食事は翌朝まで、歩行は23時以降解禁(トレイ含む)、
・SICUですぐ尿カテーテルを抜いてもらった。大きく息を吐いた瞬間に抜かれ、これが大激痛。結局この尿カテ関連がどの期間でももっとも痛くつらかった(男性の方が痛く、若いほど痛いとのこと)
・生まれて初めての尿瓶で…。痛みでほぼ出ない。そもそも横になってする経験がないので、できない、というか出ない…。なるべく水分を控えとにかく23時まで耐えることに
・SICUは無菌室のため、お見舞い等で入室できるのは家族のみ。また13歳以下の子供も入室禁止
・SICUには天井から吊るされたテレビがあり、個室ということもあり誰にも気兼ねなしにテレビを見ることができたため、そこまで暇をもてあますことはなかったが、TVを楽しむ余裕も全くなかった。「ガイアの夜明け」が1ミリも頭に入ってこなかった
・23時にようやく飲水解禁で少し水分補給し生き返った
・点滴を引きずりながら初トイレへ。麻酔のせいかフラフラして足元がおぼつかず看護師の介助を受けながらの歩行。トイレ激痛、血尿(数日で治るとのこと。4、5日は激痛だった…)
・看護師が点滴で薬をいれたり心電図を見に来たり体温チェックしに来たり、夜が明けるまで本当に長い長いSICUであった
・30時間近くの絶食からの初の食事。そこまでお腹が空いてはなかったが、チーズやフルーツを食べたらみるみる力が湧いてきた感があった

手術終わりSICUから一般病棟へ
・昼前歩いて一般病棟へ、ようやく長い地獄のトンネルから抜けた気がした
・相変わらず血尿と激しい痛みでトイレが地獄、地獄、地獄
・血液検査で血を抜かれる、もはや注射を怖がる気力もなし
・昼食、食欲が出てきたが麻酔が切れてきたのか肩の痛みが強く出てきた
・点滴で痛み止めを入れるも、あまり改善せず
・喉乾くもトイレが怖く、給水制限
・SICUでは寝た感じもなくずっと薄暗かったから時間の感覚がなく、術後当日の感じが強かった

リハビリと退院
・痛み、痺れが強烈ななか、術後翌日(本人は当日気分)にすぐにリハビリすることへの驚き
・リハビリ科で固定具の脱着練習、アイソメトリックの筋トレ。いきなり固定具取る恐怖。感覚なくても筋トレしろとのこと。
・リハビリで痛みに拍車が。月曜入院、火曜手術、水曜リハビリというパターンが多いらしく、水曜は点滴の痛み止めの要望が多くなりナースステーションも忙しくなると看護師がぼやいていた
・ドクター診察。点滴がやっと外れる。傷口消毒。
・唐突に、「退院していいよ」とドクター
「・・・、・・・、・・・、えっ!!??」
「もう出血すこともないし、特に心配もないから、痛みの具合や生活不安が無かれば帰宅問題なし」
「・・・、・・・」
・しばらく思い悩む。痛みはまだ激しく、指先にも強い痺れが残っており生活不安もあり、ナースステーションに相談しに行く
「ドクターが退院していいって…。でも痛みも痺れもこんなにもあって現実的に退院するのはどうなのか?」
「はい、問題ありませんっ。痛み止は処方するし、特段今後処置することもないので」
・大部屋ではなかなか寝れず、気が張りっぱなし、気疲れしっぱなしだったので思い切って退院することに
・急な退院で慌てて身支度を整える、看護師も退院準備の書類や薬の準備に
・最後にドクターから術中の説明を受け、内視鏡カメラで自分の骨が縫合されているのを見る
・枕付き固定期間は3週間、枕外して2週間の固定、リハビリは週1回通うこと。骨のくっつき具合に寄って全治6〜9ヶ月との説明。競技復帰は9ヶ月〜1年
・タクシーで帰宅、家の安心感は絶大
・おしっこ激痛で家でも震える

手術&入院費、計約60,000円

その後
・現在固定具は外れ(予定日より数日早く勝手に外してしまう)、現在リハビリ中
・日に日に、特に固定具を取ってからはどんどん可動域も広がり、痛みも減っていく。しかし腕は「前ならへ」くらいしか上がらず。洗濯干し、頭・顔洗う等腕を上げる動作は厳しい
・リハビリの日の夜は痛すぎてあまり寝れず。理学療法士曰く、痛みに強い人のほうが治りが早いと。頑張ってリハビリをするからとのこと。やり過ぎは禁止だが積極的に許可された範囲で動かしリハビリするが絶対安静とも。動かせだの動かすなだの相反していて未だよく理解でず。固まった関節の可動域を広げるのだから当然痛みはある。また痛み耐久性は人による。痛すぎなら無理せず、しかしある程度の痛みなら問題ないので積極的に…。???????

リハビリ1回約1,300円

まとめ

注射嫌い、病院嫌い、初全身麻酔手術。
まさに地獄の月日だった。

受傷後手術まで時間がかかり、無駄に長い三角巾等での固定期間、専門医の診察を受けるまでの不安など紆余曲折だった。
また骨折も大きく、場所も悪く、珍しい症例ということもあり、切開するのか内視鏡なのか終わるまでわからなった恐怖もあった。

可能であるならば手術はせず、競技復帰は断念しようとも真剣に考えた。ただその他の運動やトレーニングができなくなることへの落胆感は筆舌に尽くし難かった。
実際レントゲンではドクターは保存療法でもいけるかもという診断だったので、とても思い悩み、CT撮影を待っている時も、その後の診察待ちの時も手術か競技引退、運動の大幅な制限かを考えて打ちひしがれていた。
CT診断で日常生活だけを回復ターゲットにしても手術不可避という診断のおかげでもう迷う選択肢は一気になくなり、あとはいつまでもグダグダと決まらない覚悟を決めるだけに注視できたのは結果的に良かったのかもしれない。

終わってしまえばあっという間でしたが、本当にキツかったことには変わりありません。
まだこれから長いリハビリが続きます。
競技復帰できたときこそがゴールです。

まとめると、尿カテーテルが地獄だったという備忘録でした。

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