【コントロールできるものにフォーカスせよ】ビジネスマンにも学生にも効く、ラグビー日本代表が実践したメンタルコントロール

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メンタルコントロールなくして結果は出ない

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

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ラグビー日本代表、五郎丸で一躍有名になったルーティン

世界最強クラスの南アフリカをワールドカップという大舞台で撃破したラグビー日本代表。世紀のジャイアントキリングで歴史を変えたラグビー日本代表。
そして昨今そのブームはすでに去ってしまったと巷では囁かれています。川淵三郎氏によりバスケットボールはBリーグという大会を見事に成功させ、ゴールデンタイムに民放で大々的に放映されました。

そんなバスケットボールを傍目にラグビーはあのときのブームを活かしきれず、結局元の木阿弥になろうとしています。なんとかそれを打開しようと選手やファンは躍起になっていますが、古い体質のラグビー日本協会が足を引っ張っている状況です。あの木が三つの元首相がついこの間まで牛耳っていたのですから想像は容易でしょう。

しかしラグビー日本代表が残した歴史勝利の事実は変わりません。その代表を指揮したエディー・ジョーンズ氏の手腕は今でも注目され、現在でも低迷していたイングランド代表を見事常勝軍団に生まれ変わらせました。

エディーはメンタルトレーナーを日本代表コーチ陣に招聘しました。日本代表にとっては初めてのことでした。招聘されたメンタルトレーナーは荒木香織という学生時代にインターハイや国体に短距離走で出場した経験がある人です。引退し後海外の大学でスポーツ心理学を学びました。

当初はメンタルトレーナーを毛嫌いしていた選手もいたそうです。それくらい日本ではメンタルという概念は抽象的で、ともすれば根性や精神論で代替されてしまいます。しかしラグビー代表の快挙は少なからず荒木香織氏のメンタルコントロールが選手たちをいい方向に導いた結果です。

このメンタルコントロールの有効性はトップアスリートに限ったことではなく、運動会や地域の大会、またプレゼンテーションなどのビジネスシーン、受験や面接にも大いに発揮します。

メンタルスキルとは自己コントロールです。一朝一夕で体得するのは難しいですが、鍛錬を積むことで大一番で自己をコントロールできパニック状態を軽減できます。

どんな舞台にもで効果を発揮するメンタルコントロール。コントロールできないものが多い世の中で、コントロールできるものを上手にコントロールするメンタルスキルを身に着けていかんなく実力を発揮しましょう。

ルーティン

五郎丸歩選手のゴールキックで「ルーティン」が一躍有名になりましたが、ラグビー日本代表の選手たちは徹底的にメンタルをコントロールしていました。
日本代表クラスでも大舞台が近づけば眠れなくなったり、不安に押しつぶされそうになっていました。理不尽な指導に憤慨していた選手も少なくありませんでした。エディーのあまりに厳しい指導にメンタル的に弱る選手も荒木氏のメンタルスキルが強い味方となりました。

またエディーがひたすらに唱えていた「マインドセットを変える」こともメンタルコントロールの一つでした。勝てない、誇りを持てないという意識を徹底的に変え、自信あふれるプライドある日本代表へと変貌していきました。

五郎丸選手のルーティンは正確には「プレ・パフォーマンス・ルーティン」といい、以下のような利点があると荒木氏は言います。

1、続くプレーをスムーズに
2、外的・内的障害排除
3、プレーを修正しやすい
4、ストレス軽減

1は動作への準備、2は内的プレッシャー、外的環境の影響を小さくする、3は一度失敗しても二度目はルーティンで準備し失敗を引きずりにくい、4はルーティンをやれば大丈夫だという安心感。

他にもルーティンには、ポスト・パフォーマンス・ルーティンとデュアリング・パフォーマンス・ルーティンがあります。ポスト・パフォーマンスは行動後に行うルーティン。例えばバッティングセンターで空振りをした後に必ず素振りを数回するなどです。また仕事終わりにお酒を飲んで気分をリセットする習慣もポスト・パフォーマンス・ルーティンの一つです。これをジョギングやストレッチに変えると生活習慣も大きく改善されます。

デュアリング・パフォーマンス・ルーティンとは、試合や仕事の合間に行うルーティンです。仕事の合間にコーヒーを飲んだりするのもルーティンの一つです。喫煙者にとっては喫煙行為はデュアリング・パフォーマンス・ルーティンでリセットするのに重要な役割を担っています。ニコチン中毒よりもこの習慣化された行為を他の行為に代替できるかが禁煙への重要なステップになります。ガムや飴を噛んだりするのもその一環です。

ここで重要なのがなぜルーティンが大切か理解することです。私たちが生きている中で、コントロールできることは非常に少ないです。天候や気温、周囲の状況やそのときの体調などその日その日、その場しその場で環境は目まぐるしく変わっていきます。コントロールできないことに一喜一憂していては常に周りに振り回されてしまうだけです。対人関係でも同じです。大切なことは自分でコントロールできるものを把握し、それを上手にコントロールすることで集中できる、もしくは無になれるトリガーを作りるのです。つまりルーティンです。

試合やプレゼンテーションのときは誰でも大なり小なり緊張や興奮、または不安を覚えます。たとえ緊張しないという人でも、大会やプレゼンテーションなどは完全な非日常です。日々の平常心では決してありません。「平常心、平常心」と自分にいくら言い聞かせても、「平常心を持ってやれ」と指導しても無理なのです。むしろ平常心でいられない自分に対して焦りや苛立ち、余計な不安、苛立ちを覚えることになってしまいます。

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平常心で挑めないことは最初から折り込み、コントロールできることを把握しコントロールしたほうが確実に良い結果につながります。そのため常日頃から自分の状態を観察し、どんなときに強く興奮し、不安を抱くか理解しておく必要があります。書き留めておくことで自分でも気づいていなかったことを知ることもあるはずです。

興奮し過ぎの場合は、落ち着くためのルーティンを行います。普段から落ち着かせるために何かしている習慣があるかもしれません。もし見当たらなければ作ればいいのです。人の字を三回書いて飲み込むという昔ながらの手法もその一つです。作ったらそれを普段から使い、使ったら落ち着くとリンクさせる練習をします。それを自分のものにできれば大舞台で焦っていても心配はありません。

自信をつける、つけさせるメンタルスキル

誰でも役割を与えられれば責任感が湧き、意思決定させれば他人事ではなくなります。
そして小さな成功を積み重せねさせれば自信がつきます。運動にしろ勉強にしろ小さな成功体験の積み重ねは必ず自信につながります。

自信をつけるには荒木氏は以下のように言っています。

1、自信があるように振る舞う
2,ポジティブなセルフトーク
3、繰り返し練習する

松井秀喜の座右の銘「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」のように、自信があるとまずは心で思い、自信があるように振る舞い行動に移し、習慣化すれば人格が変わり、そして本当に自信を持てるようになるということです。「勝者のように振る舞え ~act like a winner~」です。

セルフトークは、「無理だ、疲れた、もうダメだ」を、「できる、まだやれる、あきらめない」と自分と会話をし励まします。反復練習は、不安を拭うためにひたすら漠然とやり続けるのは、やりすぎになる一方、不安はなかなか減りません。時間や回数を決め、何に対して不安を抱いているのか明確にし、それを潰していく必要があります。最初は全部不安要因を書き出し、コントロールできないものは削除します。そして絶対に外せないもの、絶対にやってはいけないことをいくつかピックアップしてそれを実行できるように反復練習すればいいのです。時間・期限・回数を決め、足し算ばかりでなく引き算をし、コントロールできるものできないものは何か把握しておくことが大切です。

まとめ

№.1メンタルトレーニング ―本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる

№.1メンタルトレーニング ―本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる

オリンピックには魔物がいると言われます。他の大会でもそう言われているものもあるでしょう。しかし実際には魔物などいません。あるのは大きなプレッシャーの中の自分自身です。そのプレッシャー下の自分をコントロールできているかできていないか、それだけです。どんなに訓練された一流アスリートでも過度のプレッシャー下でチョーキング状態(息苦しくなり思考能力が低下すること)になることはあります。

そもそもオリンピックやワールドカップなど数年に一回の大きな大会のプレッシャーを普段から味わって練習できる人はそういません。大部分の人が初めての想像を絶するプレッシャーに曝されるのです。たとえ何度も同じ大会に出ていたとしても、3連覇がかかっている、最後の大会として挑んでいるなど状態はさまざまです。そのためにもコントロールできるものだけにフォーカスしコントロールする練習が必要で、そのツールの一つがルーティンなのです。

コントロールできないことにとらわれ、パフォーマンスが落ちるのはナンセンスです。コントロールできないものには思考停止をする能力も必要です。
天気や気温、対人関係などコントロールできないものはたくさんあります。雨の日や寒い日はトレーニングのモチベーションが上がらない人は多いはずです。しかしコントロールできない天候によってモチベーションが大きく左右されるのはもったいないことです。

トレーニング前には必ずロッキーのテーマを聞くなど、自分のスイッチを常日頃から作っておば、いい意味での思考停止状態で余計なことに左右されず取り組みやすくなります。コントロールできないことに苛ついてはいけません。

苛ついてしまったら3R(リアクト、リラックス、リセット)を心がけましょう。リアクトは気づきで、怒りに気づいたらリラックス行為を取り、リセットして仕切り直しです。苛ついた状態は何の得策にもなりません。

メンタルには強い弱いはなく、いかにコントロールするかが重要なのです。そのためには自分の状況を正しく知り、どのようなときに不安や興奮、焦り、怒りを感じるのか日頃から書き留めて、自身をよく観察しましょう。そしてその中から自分でコントロールできるもの、できないものを分類し、コントロールできるものにフォーカスし制御する練習をすれば自己が乱れることも少なくなります。

ルーティン作りには次のレポートが役立ちます。生体行動科学レポート 「ルーティーンはどのようにつくっているのだろうか」

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)” target=”_blank”>参考図書:ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)

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