【災害列島ニッポンで生き残れ】筋肉だけではダメ。災害から生き残るための肉体3条件

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いざというときのために

21世紀サバイバル・バイブル (集英社文庫)
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災害に立ち向かってきた災害大国ニッポン

地震、噴火、津波、台風。忘れた頃にやってきて多くの人命や財産を突然奪いさる災害。大災害が起こるたびにそれは想定外の被害をもたらしてきました。

関東大震災をはじめ阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震、東日本大震災。そして熊本大地震。2014年9月には長野県御岳山で水蒸気爆発による噴火で死者・行方不明者63人で戦後最悪の火山災害も起きました。

1959年の死者4,697人・行方不明者401人の犠牲者を出した伊勢湾台風により成立した災害対策基本法によりソフト面での災害対策が進められ、阪神・淡路大震災や東日本大震災で建物の耐震基準が見直され、消防にハイパーレスキューが、警察には特殊救助隊が設立されるなど日本の災害対策は日進月歩で進んでいます。

さまざまな災害に日本はあの手この手の対策を施し対応してきました。対策が功を奏すこともあれば、人間の力など根こそぎ奪い去ってしまう大災害も多く起こっています。そのたびに災害対策は見直され改善されてきました。

国や行政の災害対策だけでなく個人でも家庭に食料や飲料を備蓄したり、棚の転倒防止など災害対策も推進されてきました。国や行政がいくら災害対策を施しても、災害に直面する個人個人も対策をしておかないと行政の助けが入る前に命を落としてしまう場合もあるでしょう。

では肉体について災害に備えている人はいるでしょうか。脱出する、逃げる、登る、ぶら下がる、歩き続ける、運ぶ、担ぐ。災害時には通常時より遥かに肉体が酷使されます。強い体があればそれに越したことはありません。自分の命だけでなく誰かの命も救うことも可能になるかもしれません。

災害のために鍛えている人は消防や自衛隊などその道のプロフェッショナルがほとんどでしょう。しかし一般人でも日頃の運動やスポーツ、トレーニング習慣は大いに災害対策になりえます。地震での建物倒壊、噴火や津波などの自然の圧倒的な力の前に対し人間がいくら体を鍛えても無力の場合がほとんどでしょう。大災害の前に生き残れるのはまさに偶然の積み重ねの奇跡です。

しかしその場から逃げたり、脱出する際に「体力がある」、「力がある」、「回復力が高い」といった要因で奇跡が起きる確立がたった1%でも高まるのであれば体を鍛えない手はありません。またサバイバル能力は肉体の能力と比例します。生き残るために、そして大切な人を守れるように是非肉体の鍛錬をしましょう。

災害時に筋肉は頼りになる

消防筋肉 (イカロス・ムック)
消防筋肉 (イカロス・ムック)

物を移動させるとき必ず力が必要です。「瓦礫を運ぶ」、「物資を運ぶ」、「テントを設営」など力が必要です。「重い荷物を持ち上げる、どかす」、「人を担ぐ、引き上げる」など爆発的なパワーが必要になる場合もあり当然強い筋力が必要です。ボディビルダーのようなムキムキマッチョマンは使えないと世間で揶揄されることが多々ありますが、それは体の使い方の問題で筋肉に非は一切ありません。それに彼らは決して非力ではありません。単純な力仕事ならば非常に頼もしい存在になるでしょう。

力の源は筋肉です。そして力強さは筋肉の大きさと比例します。筋肉を大きくするためには適切な重さ(10回ギリギリで挙げられる重量)、適切な回数(8〜12回×3セット)でウエイトトレーニングし、しっかり栄養を摂取し十分な休息を取ることが重要です。筋肥大は立派な災害対策です。自分の体重の重量を扱える体作りを目指しましょう。

生存に脂肪は必須

脂肪が多すぎるとさまざまな病気のリスクや身体能力減の要因になります。一方、脂肪はエネルギーがたくさん詰まった貯蔵物です。摂取エネルギーが必要量より少なければ筋肉や脂肪を分解しエネルギーとします。筋肉1kgは1200kcalですが脂肪は1kgは7200kcalもあるのです。エネルギー摂取が困難なときは脂肪がある程度あったほうがエネルギー切れにくく、それはまさに命を繋ぎ止めることに直結することなのです。

また脂肪は衝撃吸収の役割も担ったり、寒さ対策の効果もあります。北極や南極探検隊は出発までに10kgも体重を増やしていきます。熊など冬眠する動物は冬眠前に脂肪を蓄えます。それはエネルギー貯蔵や寒さ対策などの役割があるからに他なりません。標準の体脂肪率から大幅に下げないことも危機管理の一つになるのです。

日本のトレーニーに蔑ろにされやすい心肺機能は重要

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング
究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

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HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング
HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング

日本の肉体改造では心肺機能強化が蔑ろにされやすい傾向があります。筋トレで筋肥大し、そして絞り、見た目さえ変われば成功という風潮が強くあります。悪い意味での筋肉信仰です。

心肺機能が高まるとは心臓と肺が強くなります。肺による酸素の取り込む能力と二酸化炭素を排出する能力が向上し、心臓による血液の排出量も増えます。酸素や栄養が全身に行き渡りやすくなり、疲れにくく疲労回復も早くなります。それにより長時間体を使い続けることができようにもなります。

災害はいつ収束するのか誰にもわかりません。また被災直後も行政の助けが入るまである程度時間がかかります。重要なのは水や食料の確保と、無駄な体力を消耗しないことです。助けが来るまで生き続けなければなりません。じっと待っているだけでよい環境であれば待機が原則ですが、その環境を手に入れるために動かざるを得ない場合もあります。逃げきる、歩き続けるなどして安心して待機できる安全な場所を見つけないといけません。その動き続ける体力のためには心肺機能は必須です。

心肺機能を高めるには有酸素運動が有効です。ジョギングやサイクリング、水泳など効果的です。しかし長時間の有酸素運動を多く行えばそのぶん脂肪とともに筋肉も分解されてしまいます。筋トレをして有酸素運動をすると「アナボリックvsカタボリック」になってしまい相反する作用が働いてしまい効果的ではありません。短時間で一気に心拍数を上げることができるタバタ式トレーニングなどのHIIT(高強度インターバルトレーニング:High-intensity interval training)が分解を強く進めず心肺機能を高めるのにとても有効です。

現場の消防士や自衛隊の訓練

われら消防レスキュー隊 最新版 (Jレスキュー特別編集)
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消防では自分の体重と同じ要救助者を難なく扱える肉体作りを基本とします。要救助者を引っ張りあげる、担ぐ、運ぶなど救助にパワーは必須です。また防火衣や酸素ボンベなどフル装備になるとおよそ20kgもの重量になります。その状態での長時間不眠不休で活動する現場もあるので、体を効率的に使い、休憩のときに素早く回復するための強い心肺機能が必要になってくるのです。

消防や自衛隊、警察などは新人訓練の最後、徹夜で40〜60km歩行訓練を行うところが多くあります。日本では50km歩けばどこかしらの町に到着できるという想定です。消防では20kgの装備を背負い夜通し歩き続けます。ただ歩き続けるだけでなく、道中さまざまな訓練があり、精神的肉体的に追いつめられます。また海上保安庁特救隊の新人訓練は東京〜山梨間の100kmです。500mlの水と塩だけを持ち、それ以外は全て現地調達で26時間以内に到着しなければなりません。

特殊救難隊 36名のSpecial Rescue Team (海上保安庁DVDシリーズ Vol.4)
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このように20kgの装備で50km歩いたり、100kmを僅かな水と塩だけでゴールしなければならない訓練は、肉体的強靭さだけでなく精神力を鍛錬する訓練でもあります。快適な装備やサポート環境が充実している50kmや100kmの登山・ランニングなどの大会より訓練やサバイバルしながら徹夜で行軍することのほうが圧倒的に肉体的精神的にきついのです。

心技体を充実させるために、救助にあたるトップレベルの消防や自衛隊、海上保安庁の隊員は日頃から筋トレや走り込みを徹底的に行い、その上で最先端の救助技術を磨いています。トップレベルの隊員で「ベンチプレスは必要ない、心肺機能はあまり役立たない、持久力はいらない、筋トレはやり過ぎないほうがいい」などと言う人はまずいないでしょう。彼らはどのレベルを取ってもトップレベルなのです。

一般人が救助専門の隊員のトレーニングをする必要はないですが、基本的なトレーニングは変わりありません。筋トレの基本BIG3、10kmを1時間切れる程度の心肺機能、柔軟性、俊敏性など基礎体力を向上させることが重要です。そして消防署などが行う応急手当技術や防災員などの研修や資格を取得するなど、災害に強い体とサバイバル技術を自ら身につけることが大切です。自分の命を、そして大切な人を守るためにも、自らの災害に強い体を作りあげましょう。

東京消防庁<安心・安全><救急アドバイス><救命講習のご案内>
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm

横浜市消防局 家庭防災員
http://www.city.yokohama.lg.jp/shobo/kabou/#0

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